米上院で審議されている暗号資産市場構造法案「CLARITY Act」の本会議採決が、9月に先送りされる見通しとなった。共和党指導部は8月の休会前に採決へ持ち込む方針だったが、民主党の支持を十分に取り付けられず、日程を持ち越した。
Cointelegraphが7日(現地時間)に報じたところによると、上院共和党トップのジョン・スーン院内総務は、同法案の採決が9月までずれ込む可能性が高いとの認識を示した。法案成立に向けた協議は続いているものの、本会議採決に必要な超党派の合意にはなお達していないという。
CLARITY Actは、米国内のデジタル資産を巡る監督権限の分担や市場の枠組みを明確にする法案だ。暗号資産業界では、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の規制境界が整理され、米国で事業を展開するうえでの予見可能性が高まるとの期待が出ている。
共和党指導部は当初、上院の夏季休会前に法案処理を進める構えだった。だが、残る立法日程を迅速に進めるための手続きについて民主党の同意を得られず、審議は前に進まなかった。
上院では主要法案を迅速に進める際、全会一致の同意が必要になる場合がある。共和党は休会前に残る法案の整理を進めようとしたが、超党派合意を確保できず、CLARITY Actを本会議で扱う日程の確保も難しくなった。
もっとも、審議継続の余地がなくなったわけではない。スーン院内総務は、休会前に討論終結手続き(cloture)の申請に踏み切る可能性を残している。これが実施されれば、上院が9月中旬に再開した後の採決に向けた環境整備が進む可能性がある。
ただ、討論終結手続きの申請だけで法案成立が決まるわけではない。採決までにはなお追加の調整が必要で、最大の焦点は民主党の一部議員から賛成を取り付けられるかどうかにある。
今回の先送りは、米国の暗号資産規制の枠組みを巡る政治的な隔たりが依然として大きいことを改めて示した。共和党は、明確なルール整備と産業競争力の強化を理由に早期成立を訴える一方、民主党は利益相反の防止や消費者保護を巡る条項について、なお協議が必要だとしている。
市場の関心は、採決延期そのものよりも、9月の議会再開後に協議がどこまで速やかに進むかに移っている。法案審議が長引けば、米国のデジタル資産規制を巡る不透明感が続くとの見方も出ている。
今後の焦点は、共和党指導部が休会前に討論終結手続きを実際に進めるかどうか、さらに9月の審議再開後に民主党との妥協点を見いだせるかにある。米国の暗号資産市場を巡る規制の枠組みづくりに影響するCLARITY Actの行方は、引き続き議会内の政治交渉に左右されそうだ。