DeepSeek創業者のリャン・ウェンフォン氏。写真=Shutterstock

中国のAIスタートアップDeepSeekは31日、低価格を打ち出した新たなコーディングモデル「V4 Flash」を公開した。米Axiosによると、複雑なコーディングや自律型のソフトウェア作業に関するテストで、Anthropicの「Claude Opus 4.8」に近い性能を示したという。

Axiosが1日に報じたところでは、V4 FlashはArenaのフロントエンド・コーディング・リーダーボードでClaude Opus 4.8を上回った。価格性能比でも同クラスで最も高い水準だったとしている。

価格面では大きな差がある。Claude Opus 4.8が出力1分当たり25ドル(約3750円)であるのに対し、V4 Flashは約0.28ドル(約42円)。DeepSeekは、Claude Opus 4.8に比べて約99%安い水準で提供することになる。

Kimi K3など中国勢のモデルが米国市場で存在感を強める中、7月以降はAI業界全体で価格競争が一段と激しくなっている。

OpenAIも30日、低価格モデル「GPT-5.6 Luna」の価格を投入から3週間で80%引き下げた。Googleは効率性を重視したGeminiの「Flash」モデル3種を新たに投入し、Metaも開発者向けのクローズドモデルで積極的な価格戦略を打ち出した。

一方、Anthropicは最上位のClaudeモデルの価格を維持している。Axiosは、開発者が安全性と精度のために追加コストを負担すると同社が見込んでいると伝えた。

AxiosはV4 Flashについて、最先端のソフトウェアでさえ急速にコモディティ化していることを示す事例だと位置付けている。

家電やガソリンのように製品がコモディティ化すると、購入者は製造元よりも価格を重視しやすくなる。上位モデル間の性能差が縮小することで、AIアプリケーションでは特定ベンダーへのロックインが弱まり、価格を基準に選べる余地が広がっているとAxiosは分析した。

こうした流れの中で、性能や処理速度、価格を踏まえて最適なモデルを自動で選ぶ「インテリジェント・ルーター」の重要性も高まるとの見方が出ている。数百億ドル(数兆円)を投じて高性能モデルを開発しても、その優位性は一時的なものにとどまり、持続的な価格決定力には結び付きにくい可能性があるという。

もっとも、低価格化はAI需要の拡大につながる追い風でもある。OpenAIも、薄くなった利幅を圧倒的な利用量で補えるとみている。Axiosは、米中がAIの低価格化を競う中、最終的に収益性を確保できるかが焦点になっていると伝えた。

キーワード

#DeepSeek #Anthropic #Claude Opus 4.8 #OpenAI #Google #Meta #AI #コーディング #価格競争
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.