画像はイメージ=ChatGPT

NaverとKakaoが、AIを活用して情報収集から場所の提案、予約までを自社プラットフォーム内で完結させる取り組みを強化している。Naverは検索を起点に、Kakaoは会話を起点に利用者の意図をくみ取り、地図確認や予約、購入へつなげる導線づくりを急ぐ。競争の焦点は、AIの回答精度そのものより、実際の予約や購買にどこまで結び付けられるかにある。

Naverは、検索窓から始まる質問をショッピングやプレイス、予約へつなぐ構成を打ち出している。一方のKakaoは、KakaoTalk上の会話から旅行や会食の需要を把握し、KakaoMapや「KakaoTalk 予約する」へ送客する仕組みの構築に力を入れる。

出発点は検索と会話で異なるものの、狙いは共通している。AIが単に答えを返すだけでなく、利用者の意図を把握し、社内サービスと連携しながら実際の行動につなげることだ。

◆Naver、検索結果から地図確認・リアルタイム予約まで接続

Naverの「AIタブ」は、統合検索を拡張した機能だ。検索窓にあった従来の「グリーンドット」ボタンに代わる形で、6月26日に正式リリースした。

利用者が「明日夜8時に3人で予約できるソスンラギルのワインバーをおすすめして」といった形で、時間、人数、地域など複数条件を一文で入力すると、AIがプレイス情報や訪問者レビュー、ブログ投稿などを総合して候補を提示する。利用者は検索画面上でそのまま地図を確認し、リアルタイムの予約可能な時間まで調べられる。

Naverは、行動転換の指標も公表している。ベータ期間中、「商品・場所」カードのクリック率はそれぞれ20%を超えた。AIタブを11回以上利用したユーザーは、1回だけ利用したユーザーに比べ、商品クリックが2.7倍、場所クリックが2倍多かった。

正式リリース後は、1日当たりの平均問い合わせ数がベータ時の7倍、ユーザー1人当たりの問い合わせ数も1.7倍に増えた。Naverによると、電子製品や生活用品など条件の多い検索では、検索から意思決定までにかかる時間を最大60~70%短縮できたという。こうした利用拡大を背景に、AIタブの利用者は先月15日に1000万人を超えた。

利用接点の拡大も進める。月間3000万人超が利用する「AIブリーフィング」の下部にAIタブの対話入力欄を新設し、要約を読んだ利用者がそのまま追加質問や予約、購入に進めるようにした。

◆Kakao、飲食店から旅行・生活全般へ「場所エージェント」拡大

Kakaoも、「Kanana in KakaoMap」と「Kanana in KakaoTalk」の旅行機能を最近強化した。特徴は、検索窓ではなくKakaoTalkのチャットルームから始まる点にある。

友人や家族がチャットルームで旅行日程や行き先を話し合うと、Kananaが会話の文脈から期間や人数、出発地、好みのアクティビティなどを把握し、旅行先を提案する。目的地が決まれば、KakaoMapで場所や移動ルートを示し、「KakaoTalk 予約する」に登録された宿泊施設や飲食店であれば、その場で予約まで進められる。提案された日程はチャットルームに共有され、同行者は内容を確認しながら追加質問や予約参加ができる。

会話ベースの提案機能は適用範囲も広がっている。Kakaoは6月29日、「Kanana in KakaoTalk」の場所エージェントを更新し、従来の飲食店の提案・予約機能を、観光地や宿泊施設、展示・公演・映画館、ガソリンスタンド、コンビニ、自動車整備工場などに拡大した。

友人同士で週末の予定を決める会話でも、Kananaがポップアップ展示や近郊の外出先を提案する形だ。

Kakaoの強みは、利用者が検索を始める前の需要に入り込める点にある。旅行先を検索窓に入力する前に、チャットルームで「休暇はどこに行こうか」と相談する段階から、AIが関与できるためだ。

◆検索と会話で起点は異なるが、焦点は予約・購入への転換

NaverとKakaoはアプローチこそ異なるが、目指す先は同じだ。Naverは「検索から実行へ」、Kakaoは「会話から実行へ」とつながる構造を整えている。AI競争の焦点も、回答品質そのものより、実際の予約や購入にどれだけ結び付くかへ移っている。Naverがクリック率や利用頻度別のクリック差といった行動指標を相次いで示しているのも、そのためだ。

競争領域は旅行や場所の提案にとどまらず広がっている。Naverは今月、不動産物件推薦エージェントとWhaleブラウザ専用エージェントを披露し、年内に健康エージェントも追加する計画だ。Kakaoも、社内サービスとの連携や外部パートナーとの協業を広げ、Kananaの適用領域を旅行や生活利便以外にも広げる方針としている。

もっとも、こうした取り組みが実際の業績につながるかどうかは、なお見極めが必要だとの見方もある。

Hanwha Investment & Securitiesのキム・ソヘ研究員は、検索から購入・予約までつなげられるNaverの統合サービス資産は強みになり得るとしつつ、既存広告需要の侵食有無や実際の転換率を確認するには、少なくとも2四半期以上の検証が必要だとの見方を示した。

LS Securitiesのソン・ユジン研究員も、KakaoのエージェントサービスがAIの収益化策として評価されるには、最適化されたターゲティングや差別化されたユーザー体験に加え、実際の収益性への寄与を示す必要があると指摘した。

結局のところ、NaverとKakaoのAI予約競争の勝敗は、より自然な回答を返せるかではなく、検索や会話で捉えた利用者の意図を、どこまで実際の予約や購入に転換できるかにかかっている。より高い行動転換率と取引実績を生み出せるかが、次の競争の分かれ目となりそうだ。

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