写真=X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は7月29日、世界広告主連盟(WFA)と和解し、グローバル責任メディア連合(GARM)を巡る訴訟を終結すると発表した。広告主による出稿停止を巡る法廷対立は決着するが、表現の自由とブランドセーフティのバランスをどう取るかという論点は残る。

米TechCrunchによると、XとWFAは同日、共同声明を通じてGARM関連訴訟を終わらせ、両者の関係を見直すことで合意したと明らかにした。

今回の合意により、イーロン・マスク氏が問題視してきた広告主の集団的な出稿停止を巡る法的紛争は、事実上の決着となる。Xは2024年、WFAが同プラットフォームに対する組織的かつ違法な広告ボイコットを主導したとして提訴していた。

Xは当時、マスク氏が2022年に440億ドルでTwitterを買収した後、広告売上高が急減した背景には主要広告主の足並みをそろえた対応があったと主張していた。

訴訟の対象には、Mars、CVS Health、Shell、LEGOなどのグローバル企業が含まれていた。一方、広告主側は、出稿の可否は各社が独自に判断する事項だとして、Xの主張を否定してきた。

米連邦裁判所は3月、Xが連邦競争法上の被害を十分に立証できていないとして訴えを退けた。Xは4月に控訴していたが、今回の和解によって紛争は法廷外で終結することになった。

対立の中心にあったのが、WFA傘下のGARMだ。GARMは、ブランド広告がヘイト表現や暴力的コンテンツなどの有害情報と並んで表示されないよう、業界基準の整備を目的に広告主や広告代理店が組成した協議体だ。

マスク氏によるX買収後、コンテンツ管理方針が緩和されるなか、広告主はブランド毀損のリスクを懸念した。これに対しXは、こうしたガイドラインが広告出稿の縮小を促したと反発していた。

共同声明で両者は、「WFAとXはGARM関連訴訟を過去のものとし、両組織の関係を見直すことにした」と表明した。WFAは表現の自由を支持する立場を改めて示す一方、2024年8月9日にGARMを終了しており、今後GARMまたは同様の組織を再設立・運営しないとした。

その一方で、ブランドセーフティそのものについては一定の一致点を確認した。共同声明では、「ブランド、プラットフォーム、消費者のすべてが、ブランドセーフティの革新による恩恵を受けるという点で完全に一致している」としている。

広告出稿を巡る法的衝突にはひとまず幕が下りるものの、プラットフォーム上の表現の自由と、広告主が求めるブランド保護をどう調整するかは、引き続き課題として残る。

マスク氏と広告主の対立は今回が初めてではない。マスク氏はX買収後、広告を停止した企業を厳しく非難し、公然と対立を深めたことがある。

今回の合意は、広告エコシステムとの関係悪化をこれ以上広げるのではなく、まずは法廷対立の整理を優先した格好だ。

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