韓国の経済・金融当局は29日、Samsung ElectronicsとSK hynixに連動する単一銘柄レバレッジETFについて、個人別の投資上限を設ける方針を明らかにした。市場が急変した場合にレバレッジ倍率を調整できるよう、安定化措置の法的根拠整備も進める。
ク・ユンチョル副首相兼財政経済部長官は同日、政府ソウル庁舎で緊急市場状況点検会議を開き、単一銘柄レバレッジETFを巡る追加対策を協議した。
会議には、シン・ヒョンソン韓国銀行総裁、イ・オクウォン金融委員長、イ・チャンジン金融監督院長のほか、ハ・ジュンギョン大統領府経済成長首席が出席した。
当局は、単一銘柄レバレッジETFに個人別の投資上限を設け、取引総量を管理する考えだ。具体的な上限水準は今後詰めるが、総投資額の20%以内に制限する案が示された。
あわせて、緊急時に当局が直接安定化措置を講じられるよう、制度面の整備も進める。香港の可変レバレッジ制度など海外事例を参考に、市場環境に応じて商品のレバレッジ倍率を調整する案を検討する。
過度な注文を抑えるための取引コスト上乗せも進める。先物市場で導入されている過大呼値負担金を単一銘柄レバレッジETFにも適用し、反復的で過度な注文に伴う負担を引き上げる方針だ。
投資家保護策としては、模擬取引の手続きも追加する。現在実施している事前教育に、実際の売買に近い模擬投資プロセスを組み込み、商品構造や損失リスクを十分に理解した上で投資するよう促す。
当局は、個人別投資上限の設定、安定化措置の制度整備、過大呼値負担金の適用、模擬取引の導入を速やかに進める方針を示した。
先に公表していた基本預託金の引き上げも31日に実施する。単一銘柄レバレッジETFの投資に必要な基本預託金は、従来の1000万ウォンから現金3000万ウォンに引き上げる。
会議では、足元の韓国株急落について、株価上昇後の調整局面で投資家心理の悪化と需給不安が重なり、下げ幅が拡大したとの見方が示された。
一方で、半導体など主力品目の輸出が堅調で、企業業績見通しの上方修正や経常黒字の拡大も続いていることから、国内経済のファンダメンタルズはなお堅調だと評価した。
経済・金融当局は今後、韓国株市場が主要国に比べて大きな値動きを示した要因を追加で分析する。当面は最高水準の警戒態勢を維持し、24時間体制で市場を監視する方針だ。