「2026 SK hynix未来フォーラム」であいさつするSK hynixのクァク・ノジョン代表取締役社長(写真=SK hynix)

SK hynixは9月9日、イチョンキャンパスのスーペックスセンターで開いた「2026 SK hynix未来フォーラム」で、HBMや3D積層DRAMなどをワークロードに応じて組み合わせる「フルスタックAIメモリ(Full-Stack AI Memory)」戦略を打ち出した。単なるメモリ供給にとどまらず、AIシステムの設計段階から関与する体制への転換を目指す。

同社は、今後の競争軸が容量や速度といった個別性能だけでなく、システム全体の設計最適化へ移りつつあるとみている。今回の戦略では、「組み合わせ」と「協業」を柱に据えた。

イム・ウィチョル副社長は、3D積層DRAM、HBM、HBFなど異なるメモリを、ワークロードの特性に応じて組み合わせる考え方を説明した。あわせて、AIサービス、ソフトウェア、アクセラレータ分野のエコシステムパートナーとシステムレベル共同設計(System-level Co-design)を並行して進める方針を示した。

同社はこうした取り組みを通じて、「フルスタックAIメモリクリエイター」への進化を目指すとしている。

背景には、AIワークロードの変化がある。自律的に目標を立ててタスクを遂行するエージェンティックAIへの移行が進む中、AIが記憶・管理すべき状態情報は増えている。

情報ごとに保持期間やアクセス特性が異なるため、汎用メモリだけでは対応が難しくなっているという。マルチエージェント化や長時間実行の広がりにより、容量と帯域幅の両面で新たなボトルネックも顕在化していると説明した。

技術面では、解決策として3D技術を挙げた。キム・ギョンフン副社長とソン・ホヨン副社長は、3D技術を、素子を垂直方向に積み上げる「素子集積」と、異なる機能のチップを別々に製造して1つにまとめる「異種集積」に大別した。

主な方向性としては、データバス帯域幅の最大化、超短距離伝送、DRAM周辺回路でロジックファウンドリを活用する取り組みを示した。

キム・ギョンフン副社長は「3D積層DRAMを製品化するには、設計最適化に加え、発熱やプロセス難度といった従来とは異なる技術課題も同時に解決しなければならない」と述べた。

実装面の課題にも触れた。設計や発熱への対応に加え、微細インターコネクト、ボンディング、プロセス統合など、パッケージングに関わる複数の難題を同時に解く必要があるという。

また、前工程と後工程の境界に加え、ファウンドリとメモリの境界も技術面・事業面の両方で曖昧になりつつあると指摘した。こうした変化を踏まえ、既存領域をまたいだ共同最適化が必要になるとの認識を示した。SK hynixは、フォーラムで得た議論を各組織の課題に落とし込み、実行につなげる方針だ。

ソン・ホヨン副社長は「3D技術はファブとパッケージングの技術的な境界そのものを変えつつある」とした上で、「アドバンストパッケージ(Advanced PKG)技術の革新とともに、既存領域を超えた共同最適化と新たな協業体制の構築が重要だ」と語った。

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