競争の焦点は端末そのものに加え、ユーザー獲得にも広がっている。画像=Gemini

Samsung Electronicsが、折りたたみスマートフォン分野でiPhoneユーザーの取り込みを強めている。7月に発売した「Galaxy Z Fold8」では、iOSからの乗り換えが前モデル比で1.6倍に増加した。データ移行の手順も簡素化し、Appleの市場参入で激化する競争に備える。

米CNBCが9月10日(現地時間)に報じたところによると、Samsung Electronicsは「Galaxy Z Fold8」の投入後、iPhoneユーザーの乗り換え比率が前作比で1.6倍に拡大したと明らかにした。

米国市場では、「Galaxy Z Flip8」購入者の約30%が他社スマートフォンからの乗り換えだったという。このうち、初めて折りたたみスマートフォンを購入したユーザーも多かった。Samsung Electronicsは、薄型・軽量設計に加え、マルチタスク性能や大画面を生かした動画視聴体験などが選択理由になったと説明した。

上位モデルの「Galaxy Z Fold8 Ultra」では、大画面と広い作業領域を前面に打ち出す。タブレットを別に用意しなくても文書作成やマルチタスクに対応できる点を訴求し、スマートフォンとタブレットの中間需要を折りたたみ端末で取り込む狙いだ。

iPhoneユーザーの乗り換え障壁を下げる施策も進めている。Samsung Electronicsは最近、データ移行アプリ「Smart Switch」を改良し、別アプリを追加でインストールしなくても、QRコードの読み取りだけでiPhoneからGalaxy端末へワイヤレスでデータを移せるようにした。写真や連絡先などの移行手順を簡略化し、乗り換え時の負担を減らした格好だ。

こうした動きの背景には、Appleの折りたたみ市場参入がある。Appleは9月10日、初の折りたたみiPhoneを公開し、Samsung Electronicsとの競争が本格化した。Samsung Electronicsは2019年に「Galaxy Fold」を発売して市場を切り開いており、先行者としての実績と製品開発の蓄積を武器に主導権維持を狙う。

市場シェアの面でも、Samsung Electronicsは当面首位を維持する見通しだ。Counterpoint Researchは、2026年の世界折りたたみスマートフォン市場におけるSamsung Electronicsのシェアを32%と予測している。一方、Appleは参入初年度で25%のシェアを確保する見通しで、競争は急速に激しくなる可能性がある。

中国市場ではHuaweiの存在も無視できない。Samsung ElectronicsとAppleが世界市場で主導権を争う一方、中国ではHuaweiが引き続き強い影響力を保っている。

Appleの参入で折りたたみ端末への関心が一段と高まる中、Samsung Electronicsにとっては首位を維持しながら、iPhoneユーザーの乗り換え需要をどこまで取り込めるかが焦点となる。とりわけ、初めて折りたたみスマートフォンを購入する層と既存のiPhoneユーザーをどれだけ獲得できるかが、今後の競争を左右しそうだ。

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