画像=Samsung ElectronicsのV10 BV-NAND構造図

Samsung Electronicsは9日、フランスのAI企業Mistral AIと戦略提携し、半導体の設計・製造に特化した独自AIモデルを共同開発すると発表した。Samsung ElectronicsのDS部門が蓄積してきた半導体技術や製造データと、Mistral AIの高効率なモデル技術を組み合わせる。

共同開発するモデルは、DS部門のデータに最適化した専用モデルとして構築する。Samsung Electronicsは大規模言語モデル(LLM)「Mistral Large」などを活用し、社内インフラ上で運用するオンプレミス型で導入する方針だ。

Mistral AIは、アルチュール・メンシュCEOを中心に、Google DeepMindやMeta出身のAI研究者らが設立した企業。欧州のAIエコシステムを代表する企業の一つとされ、金融、製造、エネルギーなど、高度なデータセキュリティが求められる分野で導入実績を持つ。こうした業種向けのモデル構築経験が、今回の提携につながった。

開発したモデルは、半導体の設計・製造現場に順次導入する。活用領域はデータ分析、欠陥予測、工程最適化などを想定しており、開発期間の短縮に加え、製造効率と品質の向上につなげる。両社はAIモデルにとどまらず、半導体業務に合わせたAIプラットフォームや運用体制の整備も進める。

運用はオンプレミス型を採用し、Samsung Electronicsの社内インフラ上で稼働させる。国家の基幹技術に関わる半導体データを外部に持ち出さず活用するためで、同社は技術競争力とデータセキュリティを両立できるとしている。

両社は提携強化に向け、出資も実施した。これにより、長期的な技術協力と共同事業を進める体制を整えた。Samsung Electronicsは今回の取り組みを、メモリ、ファウンドリ、ロジックを含むDS部門全体へ広げる方針。将来的には、顧客企業やパートナー企業とも連携するAIベースの半導体エコシステムの構築を目指し、半導体産業に適したAI活用事例を発掘しながら、協力範囲をグローバル市場へ広げる考えだ。

Samsung ElectronicsのDS部門長を務めるチョン・ヨンヒョン氏は、「半導体の設計・製造の複雑性が急速に高まる中、膨大なデータを安全かつ精緻に活用するAI能力が中核競争力として浮上している」とコメントした。その上で、「Mistral AIとともに半導体産業に特化したAIモデルとプラットフォームを構築し、AIベースの半導体イノベーションの新たな基準を作っていく」と述べた。

Mistral AI創業者兼CEOのアルチュール・メンシュ氏は、「半導体からソフトウェアに至るまで、AIは先端技術の創出を再定義している」とした上で、「Mistral AIの技術を基にSamsung Electronicsと協力できることをうれしく思う。今回の協力を通じて、半導体の設計・製造とグローバルなAIバリューチェーン全体の進歩に貢献したい」と語った。

キーワード

#Samsung Electronics #Mistral AI #AI #半導体向けAIモデル #大規模言語モデル #オンプレミス #DS部門
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.