画像=Krafton決算資料

Kraftonは7月29日、2026年第2四半期と上期の業績がいずれも過去最高を更新したと発表した。「PUBG: BATTLEGROUNDS」のコンテンツプラットフォーム化と、5月にアーリーアクセスを開始した「Subnautica 2」の好調が業績を押し上げた。8月のGamescomでは新作5タイトルを公開し、次のフランチャイズIPの育成にも乗り出す。

同社は同日の2026年第2四半期決算説明会で、下期の事業戦略と、フランチャイズIPの確立を柱とする5カ年成長戦略を示した。

キム・チャンハン代表は「PUBGとSubnauticaを通じ、フランチャイズIPを基盤とする複数の成長軸を構築した」と説明した。そのうえで「コアIPへの戦略的集中をさらに強め、IPの発掘、検証、拡大を再現性のある成長モデルとして回し、新たなフランチャイズIPの確保につなげる」と述べた。

◆PUBGとSubnauticaの成長が最高業績を後押し

第2四半期の連結売上高は1兆2902億ウォン、営業利益は4109億ウォンで、前年同期比ではそれぞれ94.9%増、67.0%増だった。売上高、営業利益とも第2四半期として過去最高となった。

上期累計の売上高は2兆6616億ウォン、営業利益は9725億ウォンで、前年同期比73.3%増、38.3%増。売上高、営業利益とも半期ベースで過去最高を更新した。上期の営業利益は、前年通期の営業利益の92%に達した。

好業績を支えたのは、PUBGフランチャイズのユーザー拡大と売上成長、そして「Subnautica 2」の立ち上がりの良さだ。PUBGフランチャイズの上期売上高は前年同期比25%増となり、年初に掲げた通期2桁成長目標の達成に向けて前進した。

Kraftonは、PUBGの成長戦略の軸を新規単独タイトルの投入ではなく、既存ゲーム内で多様なプレイ体験を提供する「コンテンツプラットフォーム化」に置く。第2四半期のPUBG PC版では、「XenoPoint」や「Payday」などの高品質なモードが既存ユーザーの復帰を促し、プレイ時間の増加にもつながった。

同社によると、「XenoPoint」は公開後も利用者数とプレイ時間を継続的に押し上げており、恒常実装を求める声も確認された。下期には「XenoPoint」の常設運用とコンテンツ高度化に向けた開発を進めるほか、新たに完成度の高いモード2種を追加する。さらに、2027~2028年のサービス開始を目標とする新規モードも複数開発中としている。

コンテンツ拡充は売上にも直結した。第2四半期のPUBG PC・コンソールの月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比で20%超増え、売上は70%超伸びた。「Subnautica 2」の寄与もあり、PC部門の第2四半期売上高は5604億ウォンと、四半期ベースで初めて5000億ウォンを突破した。

モバイル部門の売上高は、新規X-Suit「Phoenixtra」が過去最高の日次売上を記録したことを追い風に、前年同期比5.5%増となった。コンソール部門の売上高は、「Subnautica 2」の販売が寄与し、同143.3%増だった。

「Subnautica 2」は5月15日にアーリーアクセスを開始し、22日で累計販売本数500万本を突破した。Steamのユーザー評価でも「非常に好評」を維持している。

Subnautica IPの上期売上高は2325億ウォン。新作の好調を受け、発売から約10年が経過した「Subnautica」と「Subnautica: Below Zero」も約420億ウォンを売り上げた。

Kraftonは「Subnautica 2」について、正式発売を急がず、約2年かけてコンテンツを追加しながらファンダムを広げる戦略を採る。

キム代表は「オープン開発方式のため、正式リリース時期はまだ決まっていない」と説明。初期ユーザーの約半数は前作未経験の新規ユーザーだったとし、「1200万人超の既存ファン層に新規ユーザーが加わり、フランチャイズ全体の裾野が広がっている」と述べた。

◆Gamescomで新作5本公開、次の成長軸を育成

Kraftonは8月のGamescom 2026で、2027年までの発売を目標とする新作5タイトルを公開する。発表後は市場の反応やユーザーフィードバックを踏まえ、各作品がフランチャイズとして成長できるかを見極める方針だ。

PUBGスタジオは、PUBGフランチャイズを基盤に新たな世界観とゲームプレイを取り入れた新規プロジェクトをGamescomで初公開する。タイトル名や詳細は会期中に明らかにするとした。

残る4タイトルは、Neon Giantの一人称オープンワールド・シューターRPG「NO LAW」、4チームが同一戦場で競い合う戦術対戦ゲーム「Project Zeta」、家族や友人と楽しめる2人協力型パズルアドベンチャー「Age Twister」、東洋ファンタジー世界を舞台にしたアクションRPG「Tare: Unbound」。「Project Zeta」については、オープン開発とアーリーアクセスを通じて、ライブサービスとしての拡張性を検証する。

AI分野では、PUBGに試験導入したオンデバイスの対話型AIキャラクター「PUBG Ally」を通じ、実装面の手応えとサービス展開の可能性を確認したという。キム代表は「ユーザーの反応とフィードバックを踏まえ、改良版を開発している」と述べ、ゲーム体験を高めるコンテンツとするか、別の収益化モデルにつなげるかを社内で検討していると明らかにした。

研究領域は、マルチモーダル大規模言語モデル(LLM)やワールドモデルにも広げる。キム代表は「フィジカルAIは、LLM以降のさらに大きな市場機会を開く可能性がある」としたうえで、ゲームデータの蓄積や仮想環境の運用経験がワールドモデル開発で優位に働くことが見えてきたと説明した。

同社は米国に設立した子会社「Ludo Robotics」を通じて研究人材を確保している。大規模な資金が必要になるため、自社投資に加え、外部資金の誘致も並行して進める方針だ。

◆ADKと営業外費用が収益の変動要因、自己株取得も拡大

成長戦略を進める一方で、収益面の変動要因もある。ペ・ドングン最高財務責任者(CFO)は、子会社ADKの第2四半期実績について、アニメ制作やコンテンツ事業は堅調だったものの、中東情勢などの対外不確実性を受けて広告主の予算執行が減少し、広告事業が振るわなかったと説明した。

この影響で、全体実績も前年をやや下回ったという。Kraftonは広告事業の不振が長期化するとはみておらず、今後の回復状況を見ながら管理していくとしている。

ゲームとアニメーションIPのシナジーはまだ準備段階にある。キム代表は「単なる協業にとどまらない施策を模索している」と述べた。

第2四半期の営業費用は、ADKの連結編入などの影響で前年同期比111.4%増の8793億ウォンとなった。「Subnautica 2」とPUBG PC版の売上拡大に伴うアプリ手数料や売上原価の増加に加え、ゲーム制作費やeスポーツ関連の支払手数料も膨らみ、営業利益率は31.8%と前年同期比で5.3ポイント低下した。

Unknown Worlds関連の営業外費用を計上したことから、第2四半期の当期純損益は299億ウォンの赤字となった。ただ、上期累計の純利益は4842億ウォンで、前年同期比25.1%増だった。

Kraftonは現在の株価を割安と判断し、株主還元も拡大した。上期には3000億ウォン規模の自己株を取得したほか、996億ウォン規模の減資配当も実施した。

新規取得分と既保有分を合わせた2026年の自己株消却規模は計4315億ウォンで、発行済み株式数の3.5%に相当する。このうち3362億ウォン分はすでに消却を終えており、第2四半期に取得した953億ウォン分は8月5日に消却する予定だ。

同社は第3四半期にも1000億ウォン分の自己株を追加取得し、全量を消却する。今後も市場環境と株価水準を踏まえ、取得時期と規模を調整していく方針だ。

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