Metaは外部資本を活用し、AI向けデータセンターを長期賃借する枠組みを採る。写真=Meta

Metaは米資産運用大手BlackRockと共同で、テキサス州エルパソで建設中の大規模AIデータセンターキャンパスを開発・保有する合弁会社を設立する。総事業費は140億ドル(約2兆1000億円)。Metaは施設全体を長期で賃借し、2028年の稼働を見込む。

7月29日付の報道によると、両社はエルパソのデータセンターキャンパスを対象とする合弁会社の設立手続きを進めており、取引は数日以内に完了する見通しだ。

出資比率は、BlackRockが運用するファンドが80%、Metaが20%。開発費140億ドルを共同で負担する。

取引完了時には、Metaが土地と建設中資産を約23億ドル(約3450億円)相当で現物出資し、BlackRockは約49億ドル(約7350億円)を現金で拠出する。Metaは持ち分比率を維持するため、約10億ドル(約1500億円)の一時分配を受ける予定だ。BlackRockの投資資金の一部は、125億ドル(約1兆8750億円)の借入で賄うという。

Metaは合弁会社が保有するデータセンター全体を長期で賃借する。当初の賃借期間は4年で、延長オプションを行使すれば最長20年まで利用できる。あわせてMetaは、最大130億ドル(約1兆9500億円)の残存価値保証も提供する。

施設の運営はMetaが担う。建設管理から完成後のオペレーションまでMetaが担当し、当面は唯一のテナントとなる見通しだ。

プロジェクト規模は、当初計画から大幅に拡大した。Metaは2025年10月、エルパソでのデータセンター建設計画を初めて公表した際、延べ床面積約120万平方フィート、投資額15億ドル超、運営人員約100人、建設人員最大1800人、電力規模最大1GWとしていた。

今回の計画では、AI向け計算インフラとして1GW規模のキャンパスに拡張され、Metaの投資額も100億ドル超に膨らむ。建設人員は最大4000人、運営人員は300人に増える。すでに建設現場には2300人超が入っており、稼働時期は2028年を見込む。

今回の取引のポイントは、資金調達手法の見直しにある。Metaはデータセンターを自社で直接保有するのではなく、外部投資家が大半の持ち分を持ち、自社は長期賃借する方式を選んだ。Metaはこれを「Meta Compute」戦略の一環と位置付け、AIインフラ投資の資金源を多様化する方針を示している。

マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、BlackRockとの協業によって「より速く、より大規模にAIインフラを構築できるようになった」とコメントした。

BlackRockの起用は、単なる資金受け入れではなく、競争手続きを経て決まったという。Metaはこの枠組みによって、巨額投資のバランスシート負担を抑えながら、AI向け計算インフラの拡張を加速させる狙いとみられる。

今回の案件は、Metaが進めるAIデータセンター投資戦略の延長線上にある。Metaは前年10月にも、Blue Owl Capitalが運用するファンドと共同で、Hyperionデータセンター開発の合弁会社を設立している。エルパソ案件は、外部資本を活用したAIインフラ投資モデルをさらに拡大した事例といえる。

業界では、Metaが今後ほかのAIデータセンタープロジェクトにも同様の枠組みを広げる可能性に注目が集まっている。所有は外部投資家と分担しつつ、施設運営と計算資源の主導権は自社で握る手法が、AIインフラ拡張の新たな標準になるとの見方も出ている。

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