暗号資産市場の規制枠組みを定めるCLARITY法案。写真=Shutterstock

米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は、暗号資産の市場構造を定める「CLARITY法案」への支持を表明し、法案成立に向けた議会審議を後押しする姿勢を示した。米議会が8月の夏季休会前の審議再開を視野に入れる中、規制当局トップの発言が法案審議に弾みをつけるか注目される。

28日(現地時間)のBitcoin Magazineによると、アトキンス委員長は同日、X(旧Twitter)への投稿で「CLARITY法案を前進させるため、議会を支援することに全力を尽くしている」と述べた。

あわせてCNBCのインタビュー映像も共有し、「デジタル金融革命における米国のリーダーシップは、米国のイノベーターの力に見合った規制の枠組みを整備することから始まる」と発言した。暗号資産市場を対象とする新たな立法措置の必要性も改めて強調した。

こうした発言が出たのは、米議会が8月の休会前にCLARITY法案の審議を進めようとしている局面だ。法案は超党派で取りまとめられたが、一部の民主党議員は修正を求めており、最終盤の協議が最大の焦点となっている。

CLARITY法案は、暗号資産の法的位置付けと監督権限を明確にする、米国初の包括的な市場構造法案だ。成立すれば、米国の暗号資産業界を巡る規制の枠組みがより明確になるとみられている。

法案は昨年、下院で超党派の支持を得て可決した。しかし今年に入ってからは、民主党が求める倫理条項の追加や銀行業界の反発が重なり、上院審議は長引いている。

とりわけ一部の大手銀行は、暗号資産取引所がステーブルコインを基盤に高い利回りを提供した場合、銀行預金の流出につながりかねないとして懸念を示してきた。このため議論は規制整備にとどまらず、伝統的な金融業界とデジタル資産業界の対立の色彩も強めている。

先週提出された修正案には、政府高官とその家族による暗号資産の発行や宣伝を制限する倫理条項が新たに盛り込まれた。共和党はこれを材料に民主党の支持取り付けを図っており、今週の審議再開に向け調整を進めている。

アトキンス委員長は、ドナルド・トランプ米大統領の指名を受け、昨年SECの第34代委員長に就任した。前任のゲイリー・ゲンスラー前委員長に比べ、暗号資産業界により友好的な規制姿勢を示してきたとされ、市場では就任後にSECの政策の方向性が大きく変わったとの見方も出ている。

法案はウォール街の主要金融機関からも支持を広げている。FidelityやGoldman Sachsは、CLARITY法案が米国のデジタル資産市場の制度基盤整備につながるとして支持を表明した。

一方、一部の民主党議員は最近の共同声明で、現行の修正案だけでは利益相反や消費者保護を巡る問題に十分対応できないと主張した。

市場では、今週の協議が修正案を巡る超党派合意につながるかどうかが、米国の暗号資産市場の規制枠組みを本格的な立法段階へ進められるかを左右する重要な分岐点になるとみられている。

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