暗号資産やブロックチェーンに前向きな政策を打ち出す米国の州が、イノベーション競争力ランキングで存在感を高めている。ドレイパー・イノベーション指数の最新版では、テキサス州やニューハンプシャー州が上位に浮上した一方、従来のテック集積地であるカリフォルニア州とニューヨーク州は順位を落とした。
ブロックチェーン関連メディアのU.Todayによると、2026年3月に更新されたドレイパー・イノベーション指数は、暗号資産、ブロックチェーン、新興技術に友好的な地域ほど、起業家や投資資金を呼び込みやすい傾向があると示した。
同指数は、起業家、投資資金、新技術の呼び込み力を基に、米国の各州と各国のイノベーション競争力を評価する指標だ。今回の調査では、デジタル資産に友好的な政策を導入した地域が順位を伸ばす一方、既存のテックハブの一部では成長の鈍化がみられた。
中でも変化が大きかったのがテキサス州だ。米国内ランキングで4位に浮上し、ワイオミング州を上回った。報告書は順位上昇の背景として、ベンチャー投資の拡大に加え、暗号資産・ブロックチェーン分野への資金流入、新規事業の立ち上がりの増加を挙げた。
オクラホマ州も、スタートアップ設立の増加と暗号資産関連のベンチャー投資拡大を追い風に、15位まで順位を上げた。
一方で、従来の巨大テック拠点は後退した。カリフォルニア州は31位、ニューヨーク州は49位だった。両州は依然として大きな経済規模と成熟したイノベーション・エコシステムを持つものの、新規事業の立ち上がりの鈍化が順位低下の一因とされた。
ニューハンプシャー州の伸びも目立った。州内総生産では全米40位、人口規模でも42位にとどまるが、イノベーション競争力では3位に入った。報告書は、経済規模で劣っても、税制優遇や起業家に友好的な政策によって起業家と投資家を呼び込める例だと評価している。
ティム・ドレイパーは、イノベーションの重心が、起業の障壁が低い地域へ移りつつあると指摘した。税負担や規制が過度に重くなり、リスクを取る起業家に見合うリターンが得られなければ、人材と資本は他地域へ流出せざるを得ないとの見方を示した。
こうした傾向は米国外でもみられる。カナダは国別ランキングで3位から5位に低下し、他の地域でも政策の不確実性や資本流出の影響で順位を落とした。
ドレイパー・イノベーション指数は、次世代スタートアップの集積地を決める要因が変わりつつあると分析している。暗号資産とブロックチェーンを受け入れる政策、起業に配慮した規制環境、企業支援制度を備えた地域が、起業家と投資資金をより速いペースで呼び込み、新たなイノベーション拠点として台頭しているという。