Teslaは、2026年としていたCybercab、Tesla Semi、Megapack 3の量産計画を事実上見直した。第2四半期は増収を確保したものの収益性は悪化。完全自動運転「FSD」を巡っては加入者が増える一方、旧世代のHardware 3(HW3)搭載車への対応方針はなお不透明だ。イーロン・マスク氏がSpaceXとの統合の可能性に言及したことも、市場の関心を集めている。
Teslaが第2四半期の株主向け書簡で示した内容によると、Cybercab、Semi、Megapack 3について、これまで掲げていた2026年の量産計画への明確な言及を見送った。Optimusの量産に関する記述も削除した。
一方で同社は、CybercabとSemiの量産に向けて、電池生産、特に4680セルの増産を進めていると説明した。Megapack 3の遅延理由や、Optimusの開発・生産の遅れについては触れていない。
Cybercabは年初、米テキサス州オースティン工場で初の量産車の生産を開始した。SemiとOptimusは生産ラインの整備段階にあるという。Teslaは今年1月時点で、Cybercab、Semi、Megapack 3が年内に量産に入るとしていた。
こうした中でも、第2四半期の売上高は282億ドルと、前年同期の225億ドルから26%増加した。前四半期の223億8000万ドルも上回ったが、収益性は悪化した。
同時に、ロボタクシー事業の拡大ペースにも鈍化がうかがえた。
マスク氏は、TeslaとSpaceXの事業領域が徐々に重なってきているとして、両社の統合可能性に言及した。人工知能、ロボット、エネルギー、通信といった分野で技術的な接点が広がっていることが背景にある。
ただし、Teslaの株主は、統合を進める場合の議決権の扱いや企業価値の算定、利益相反の問題を厳しく注視している。マスク氏が支配する2社を統合する場合、取引の公正性をどう担保するかが主要な論点となっている。
FSDの加入者は150万人に迫り、利用者基盤は急速に拡大している。ただ、旧型のHW3搭載車では性能面の限界が指摘されており、アップグレード方針も明確になっていない。既存顧客への対応は引き続き課題として残る。
欧州では規制面のハードルも高い。フランスの交通当局は、FSDを自動運転技術とは認められないとして承認を保留している。加入者の拡大とは別に、技術の信頼性と規制当局の承認を得られるかが、グローバル展開の重要な変数になっている。
EV市場では、中国とタイが価格競争力と現地生産を武器に主導権を広げる一方、日本と米国メーカーの対応は相対的に遅れている。EV競争の重心が、従来の自動車大国から中国と東南アジアに移りつつあるとの見方もある。
中国のEVメーカーは内需を超えて海外での影響力を急速に拡大している。BYDは海外販売の拡大に合わせ、2工場で9000人規模の採用に踏み切った。タイも生産拠点とサプライチェーンを前面に打ち出し、アジアのEV産業の中核拠点として存在感を高めている。
こうした中、米コロラド州は使用済みEV電池の回収・処理責任を完成車メーカーに課す。EV普及に伴って増える廃電池について、消費者や地方政府ではなく製造側が直接管理し、リサイクル体制を制度化する狙いがある。
完成車メーカー各社は、従来のEVの枠にとどまらない新型車の開発も急いでいる。メルセデス・ベンツは、1回の充電で700km走行できる大型電動バン「グランドリムジン」の投入を準備している。Hyundaiはインドで、箱型ボディを採用したオフロード電動SUVのデザイン特許を登録した。
航続距離と上質な乗り心地を打ち出す電動バンから、悪路走行を意識したSUVまで、電動化モデルの多様化は進んでいる。セダンや都市型SUVに集中していたEV競争が、レジャー、商用、多目的車へと広がっているとの見方もある。
電動自転車市場でも新たな動きが出ている。Segwayは来年、電動自転車のラインアップを拡充する。次世代「Xyber」プラットフォームを採用した公道走行型の電動自転車を含む新製品2モデルを公開する予定で、高性能イメージにとどまらず、より幅広い消費者向けモデルで市場拡大を狙う。