米国市場に上場したSK hynixの米国預託証券(ADR)が公募価格を下回った。大型IPOとして注目を集めたSpaceXも公募割れとなっており、米新規上場市場では高バリュエーション銘柄への警戒感が強まっている。
27日(現地時間)のニューヨーク株式市場で、SK hynix ADRは前日比7.47%安の143.02ドルで取引を終えた。
10日の上場初値170ドルを下回ったほか、公募価格149ドルも割り込んだ。14日に付けた取引時間中の高値194.80ドルからは26.58%下落した。
市場では、世界的な半導体株の調整に加え、人工知能(AI)インフラ投資の拡大に伴う供給過剰懸念が売り材料になったとの見方が出ている。
フィラデルフィア半導体株指数は先月下旬以降、20%超下落した。一方で年初来ではなお60%超の上昇を維持しており、短期間での急騰を受けた利益確定売りも続いている。
NVIDIAが4.99%下落するなか、AI企業同士の資金支援や融資保証を通じて需要を膨らませる構図を巡り、いわゆる「循環金融」への議論も再燃した。
NVIDIAとSKグループが進める5000億ドル規模のAIインフラ・メモリ協力についても、実需を上回る過剰投資を招きかねないとの懸念が出ている。
中国勢の台頭も半導体関連株の重しとなった。
中国のChangxin Memory Technologies(CXMT)は科創板への上場初日、公募価格8.66元を465.82%上回る49元で取引を終えた。中国の国有企業が半導体製造向け深紫外線(DUV)露光装置の量産を開始したとの報道も、関連セクターの投資家心理を冷やした。
SpaceXも株価の下落が続いている。先月の上場後には取引時間中に225.64ドルまで上昇したが、足元では113.50ドルと、公募価格135ドルを下回っている。
高い企業価値への警戒に加え、来月初めに予定されるロックアップ解除に伴う売り圧力、AI関連の大規模な資本支出が株価の重しになっているとの分析がある。
中国航天科技集団(CASC)が長征10B運搬ロケット第1段ブースターの洋上回収に成功し、これまで米国主導だった再使用ロケット市場に参入したことも、競争激化への懸念を強めた。
大型IPO銘柄の軟調な推移が相次ぐなか、AnthropicやOpenAIなど後続のAI企業によるIPOの地合いにも影響する可能性があるとの見方が出ている。
Anthropicは早ければ10月の上場を目指して手続きを進めており、OpenAIも米証券取引委員会(SEC)にIPOの非公開申請書を提出したと伝えられている。