米議会で審議中の暗号資産規制法案「CLARITY法案」を巡り、Coinbaseは27日、超党派の支持が広がっており、早ければ来週にも採決に進む可能性があるとの見方を示した。一方で、民主党内の反発や銀行業界の警戒感はなおくすぶっている。
ブロックチェーンメディアのBitcoin Magazineによると、Coinbaseの最高政策責任者(CPO)ファリヤル・シルザド氏は27日(現地時間)、Fox Businessのインタビューで、現行法案は民主・共和両党の支持を得られるとの認識を示した。
シルザド氏は、法案を超党派で前に進める局面に入ったと説明。「極めて超党派色の強い成果だ。最終的な立法に近づいており、可決が視野に入ってきたことをうれしく思う」と述べ、早ければ来週にも採決される可能性があると語った。
CLARITY法案は、米議会で昨年から検討されてきた暗号資産の規制枠組みを明確化する法案。足元では、公職者とその家族による暗号資産の発行や宣伝を禁じる新たな草案も浮上している。この条項は、これまで民主党側が問題視してきた争点の一つだった。
ただ、法案が早期に採決へ進むかはなお不透明だ。一部の民主党議員は先週発表した声明で、現行案は不十分だと批判した。審議は今年に入って足踏みが続いており、背景には、ステーブルコインの利回りや倫理面を巡る銀行業界首脳の懸念があるとされる。
銀行業界のロビー団体は、暗号資産取引所が利用者に高い利回りを提示すれば、銀行の預金基盤が弱まると警戒している。これに対しシルザド氏は、銀行もすでに暗号資産関連技術を取り入れ始めていると反論。ワシントンの銀行ロビー団体とは対照的に、主要銀行は暗号資産やステーブルコインを自社システムに迅速に組み込みつつあり、長期的にも採用が進むとの見方を示した。
さらに同氏は、実際の銀行の動きこそが長期的な方向性を示していると強調した。「ワシントンのロビー団体が変化に抵抗しても、主要銀行の長期計画は最終的にこの技術を取り込むだろう」と述べ、「結果として、誰にとっても利益となる方向に進む」との見通しを示した。JPモルガンやBank of America(BoA)を含む米大手銀行は、ブロックチェーン基盤のステーブルコイン商品に関心を示したり、あるいは提供を始めているという。
今回の法案審議は、暗号資産規制の明確化に加え、伝統的な金融機関とデジタル資産業界の利害をどう調整するかが焦点となっている。利益相反防止条項の追加で一部の反対論は和らいだものの、民主党内の異論と銀行業界の懸念は残っており、今後の採決日程と法案成立の行方が注目される。