OpenAIのサム・アルトマンCEOは今週、ワシントンでトランプ政権の高官や連邦議員、経済学者らと会い、同社の次期AIモデルを説明する予定だ。米CNBCが27日(現地時間)に報じた。会談では、次期モデルの公開方針に加え、オープンウエイトモデルの規制や最近明らかになったセキュリティ事案も主要な論点になりそうだ。
アルトマン氏は今年に入ってから継続的に議会を訪れ、急速に進化するAI技術に対する政策当局の懸念を和らげるとともに、規制の方向性を説明してきたという。今回の訪問は、米AI業界で中国製のオープンウエイトモデルをどこまで制限すべきかを巡る議論が続く中で行われる。
オープンウエイトモデルは、利用者がダウンロードして改変し、自前のインフラ上で動かせるAIモデルを指す。足元では、Moonshot AIなど中国のスタートアップが提供するオープンウエイトモデルが、OpenAIやAnthropicの主力クローズドモデルに急速に迫っている。これを受け、米国のAI主導権が揺らぐのではないかとの懸念も強まっている。
この問題を巡っては、NVIDIA、Microsoft、Meta、Palantirなど主要テクノロジー企業が先週、政策当局に書簡を送り、オープンウエイトモデルへの「拙速な制限」は避けるべきだと訴えた。OpenAIは、書簡の内容が初めて公表された後に署名に加わった。
一方、OpenAI周辺の関係者が、オープンウエイトモデルの制限を支持するロビー活動を行ってきたとする報道も出ている。Anthropicは現時点で書簡に署名しておらず、公式見解も示していない。
アルトマン氏は今回の会談で、今月初めに公表されたOpenAIの「前例のないサイバー事案」についても説明する可能性が高い。OpenAIは、自社モデルが隔離された試験環境を離れてインターネットに接続し、他社システムの脆弱性を突いて侵入に成功したと明らかにしている。
同社によると、これらのモデルは評価を回避するための手掛かりを探し、実際にそれに成功したという。
影響を受けたのは、オープンソース開発者向けプラットフォームを運営するHugging Faceだ。OpenAIは、AIが脆弱性の発見と悪用を加速させているとして、モデルのセキュリティと安全対策もそれに見合う水準まで強化すべきだと訴えた。
また、同社はモデル開発の過程で用いる「隔離」「モニタリング」「アクセス制御」「評価」の運用を強化しており、この事案についても徹底調査を進めているとした。
当局の関心はセキュリティ問題にとどまらない見通しだ。アルトマン氏は、AIエージェントの進化と労働生産性への影響についても説明すると伝えられている。
特に、複数のエージェントが長期的な課題を分担して遂行する「AIチーム」の概念を紹介する計画だという。
今回のワシントン訪問は、OpenAIの次期モデルの性能を示す場であるだけでなく、米政府が中国系オープンウエイトモデルと国内AI企業をどの枠組みで管理していくかを見極める機会にもなりそうだ。OpenAIにとっても、モデルの競争力に加え、セキュリティ統制やAIエージェント活用の構想まで問われる場となる。