アンソニー・スカラムーチ氏。写真=Shutterstock

SkyBridge Capital創業者のアンソニー・スカラムーチ氏は7月27日、米暗号資産規制の枠組みを定める「CLARITY法案」について、不完全な内容であっても、現状の規制空白よりははるかに望ましいとの考えを示した。法案を巡っては、上院で倫理条項や投資家保護を巡る調整が続いている。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが同日伝えた。スカラムーチ氏は、暗号資産業界が直面している不透明な規制環境を踏まえ、法案の完成度よりもまず制度整備を前に進めるべきだと訴えた。

CLARITY法案は、米国におけるデジタル資産のルール明確化を柱とする。ここ数カ月にわたり議会で交渉が続いているが、法案成立に向けた進展はなお限定的だ。こうした状況でも、スカラムーチ氏は法案が前進している点を評価すべきだと指摘した。

同氏は、法案を「完璧かどうか」で判断すべきではないと主張した。「民主党はすでに法案を目に見える形で改善し、共和党も動いた。成果を確保すべきだ」と述べ、超党派で一定の歩み寄りが進んでいるにもかかわらず、その進展が十分に評価されていないとの見方を示した。

一方、上院通過に向けては依然として争点が残る。現在は、倫理条項や法執行の在り方など、扱いの難しい論点を巡る対立で審議が滞っている。民主党は、公職者が暗号資産を通じて私的利益を得ることを防ぐための制限措置を求めてきた。

この過程で、共和党の上院議員とホワイトハウスが加わった交渉は一部進展もあった。修正草案には、在職中の関連公職者がトークンを発行したり、暗号資産に関連するスポンサー契約を結んだりすることを禁じる条項が盛り込まれた。

ただ、民主党内には倫理面の懸念がなお十分に解消されていないとの見方が残る。投資家保護についても、追加的な強化が必要だとみる議員がいるという。

隔たりは従来より縮まったものの、なお合意が見通せる段階には至っていない。ジョン・スーン上院多数党院内総務も最近、同法案が8月の休会前に成立する可能性は低いとの認識を示した。

こうした状況を受け、市場の期待も後退している。予測市場Polymarketでは、CLARITY法案が2026年内に署名される確率は足元で38%とみられており、5月時点の78%から大きく低下した。交渉の長期化が、業界の失望感を強めている格好だ。

スカラムーチ氏は、ワシントンの政治状況について次のように述べた。「妥協が求められる。だが実際に妥協が成立すると、誰もそれを評価しない。CLARITYは完璧か。違う。倫理条項はさらに改善できるか。できる。だが、現状の無法地帯より10倍は良い」

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