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BYDは、広東省の深汕特別協力区にある部品工場と完成車工場で、約9000人規模の増員に乗り出した。中国の電気自動車市場の伸びが鈍る一方、海外販売は大きく伸びており、増産に向けた体制強化とみられる。

電気自動車専門メディアのCleanTechnicaが27日(現地時間)に報じたとしたところによると、対象は同区内のEbu部品工場とXiaomo完成車工場。BYDは両拠点で大規模な採用を進めている。

今回の増員規模は、足元の中国自動車市場の市況とは対照的だ。年初から中国の自動車販売は伸びが鈍化しており、BYDも国内市場では成長ペースがやや落ち着いている。

一方で業界では、新車投入や生産ライン再編の過程で、一部の人気車種で供給が需要に追いつかない状況が生じていたことも、増員の背景にあるとみている。

より大きな要因とされるのが海外販売の拡大だ。深汕拠点での生産人員の積み増しは、ここ数年で急増した海外受注に対応する狙いがある。

BYDは、中国市場の伸び鈍化を海外市場の拡大で補う戦略を継続している。

採用は生産拠点全体に及ぶ。Xiaomo工場のBYD第11事業部では、板金作業者、内装技術者、倉庫運営担当など約4800人を募集する。

同工場の第15事業部では、組立作業者や溶接技術者、発泡工程担当など1200人を新たに採用する計画だ。Ebu部品工場の第15事業部でも、生産職や設備調整担当、溶接担当など約2000人を補充する予定としている。

深汕自動車産業団地は、BYDの主要生産拠点の一つだ。プレミアムブランドFangchengbaoのTai 7のほか、Song Plus、Song Proなど、中国国内向けと輸出向けの主力車種を生産している。

同拠点の年間生産台数は昨年30万台を超え、BYDを代表する主力工場の一つに位置付けられている。

増産の背景には、海外販売の急拡大がある。BYDの6月の海外販売台数は17万5349台と、前年同月比94.7%増だった。

BYDは南米、アフリカ、東南アジアを中心に電気自動車販売を拡大している。超高速充電に対応した新型車や、マイナーチェンジ車への需要増も、生産拡大を後押ししている。

社内では、一部の人気車種で供給不足が続いているとの見方も出ているという。新型SUV「グレート・タン」についても、生産拡大の必要性が指摘されたと伝えられている。

業界では今回の増員について、単なる人員補強ではなく、海外販売の拡大と新車生産の拡充を同時に見据えた戦略投資と受け止めている。

中国の電気自動車市場の成長が鈍るなかでBYDが大規模増員に踏み切ったことは、成長の軸足が海外市場に移りつつあることを示すとの見方もある。内需向けと輸出向けの中核モデルを併産する深汕拠点だけに、海外販売の拡大が稼働率と生産能力の一段の引き上げにつながるかが注目される。

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