CLARITY Actを巡る上院審議は難航も予想される。写真=Shutterstock

米上院の共和党指導部は、暗号資産の市場構造を定める法案「CLARITY Act」の本会議審議入りを急いでいる。週内にも討論終結動議の提出を視野に入れるが、審議開始に必要な60票の確保はなお不透明で、民主党票の上積みと党内の離反回避が焦点となっている。

28日のCrypto in America報道によると、共和党指導部は早ければ今週にも上院本会議で審議入りに向けた手続きに着手する方針だ。ただ、法案前進のカギを握る60票の確保が最大のハードルとして残っている。

注目されているのは、ジョン・スーン上院院内総務が本会議審議の開始に向け、討論終結動議(クロージャー)を提出するかどうかだ。上院規則では、この動議が提出されると通常は2日後に採決が行われる。

ここで60票を確保できれば、上院は法案の本格審議に入る。その後、最大30時間の追加討論を経て、法案本体の採決に進む流れとなる。

もっとも、現時点で60票到達は容易ではないとの見方が強い。民主党の有力上院議員7人は、先週公表された修正案について、倫理規定や分散型金融(DeFi)への対応が不十分だとの認識を示したとされる。

共和党は今週中にも賛成票の取りまとめを進める構えだが、党内の足並みもなおそろっていない。トム・ティリス上院議員は、ホワイトハウスと共和党内の合意案より厳しい倫理規定を求めており、民主党が受け入れ可能な妥協案を探る超党派協議を主導している。

さらに、ミッチ・マコネル上院議員の欠席の可能性も指摘されており、共和党にとって離反はほぼ許されない情勢だ。ジョシュ・ホーリー、ランド・ポール両上院議員の立場も依然として不透明なままだ。

こうしたなか、警察関係者団体のFraternal Order of Police(FOP)は24日、修正後のCLARITY Actを支持すると表明した。FOPは別の書簡で、ノンカストディアル型ソフトウェア開発者を送金業者としての登録義務から除外する「Blockchain Regulatory Certainty Act(BRCA)」についても、暗号資産犯罪の捜査・起訴能力を制限するものではないとの見解を示した。

FOPはあわせて、法案全体に盛り込まれた法執行関連条項についても前向きに評価したという。

ただ、この支持が民主党票の取り込みにつながるかはなお不透明だ。キャサリン・コルテス・マスト、マーク・ワーナー両上院議員は、法執行能力の維持を支持条件として重視してきた議員として名前が挙がっている。

州当局の反発も続いている。ニューヨーク州のレティーシャ・ジェームズ司法長官は27日、上院国土安全保障・政府活動委員会の常設調査小委員会に提出した書面証言で、CLARITY Actが州当局の取締権限を弱める可能性があると警告した。

ジェームズ氏は議会に対し、ミキシングサービスを通じた暗号資産の流通制限や、公職者への規制強化を含む、より厳格な保護措置を導入するよう求めた。

特にジェームズ氏は、CLARITY Actがデジタル資産の監督権限を米商品先物取引委員会(CFTC)に集中させ、州当局の規制権限を弱める内容だと指摘した。修正案が示された後も、民主党が問題視する倫理条項やDeFi規制、州権限の縮小に対する懸念はなお解消されていないとの立場だ。

日程も逼迫している。上院は8月7日から休会に入る予定で、共和党はその前後で採決を終える案を検討している。必要な票を確保できた場合には、休会後も上院議員を数日間ワシントンに残し、法案処理を進めるシナリオも取り沙汰されている。

最終的にCLARITY Actの行方は、共和党が党内の離反を抑えつつ、一部の民主党票を確保できるかにかかっている。本会議の日程はまだ固まっていないが、すでに上院の議事日程には載っており、今後数日間の票固めと修正協議が法案処理の分水嶺となりそうだ。

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