Zcash(ZEC) 写真=Shutterstock

Zcashは7月28日、ブロック高342万8143でネットワークアップグレード「Ironwood」を発動する。既存のOrchardシールドプールを停止し、修正回路を適用した新たなシールドプールへ移行することで、供給上限が守られているかを外部から検証しやすくする狙いだ。

ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、今回のアップグレードはZcashの供給上限の健全性を、利用者が独自に確かめられるように設計された。

IronwoodはNU6.3として実施され、発動時刻はUTCベースで28日正午ごろとなる見通し。既存のOrchardプールを停止し、修正したOrchard回路を反映した新たなシールドプールを導入する。あわせてターンスタイル機構を維持し、既存プールに流入した分を超えるZECが外部に出ないようにする。

Zcash Open Development Lab(ZODL)は26日、X(旧Twitter)への投稿で、メインネットへの適用が2日後に迫ったと告知した。その上で、プライバシーと検証可能性の両立を目指すアップグレードだと説明した。

今回の対応は、Orchardシールドプールで見つかった、ZECの偽造につながり得る重大な脆弱性を受けた追加措置に当たる。Shielded Labsのセキュリティ研究者テイラー・ホーンビーが脆弱性を発見し、その後ZODLが緊急アップグレードを主導して修正した。ZODLは、実際に悪用された可能性は低いとの見方を示している。

ただ、従来のOrchardの取引データはシールド化されている。このため、脆弱性修正前に偽造ZECが生成されていなかったことを、利用者が独自に確認するのは難しかった。Ironwoodではこうした課題を踏まえ、既存のOrchardシールドプールを閉じた上で修正回路を適用した新プールへ切り替える。以後、供給上限が維持されているかをノード運用者が検証できるようにする。

アップグレード後は、Orchardプール内でのZECの送受信機能は停止する。資金の流出は既存のターンスタイル機構を通じた場合に限られる。Zcash側は、この仕組みによって、仮に偽造分が存在していたとしても流通供給量の増加を防げるとしている。

今回のアップグレードの焦点は、プライバシー機能を維持しながら、供給量の信頼性を外部から検証可能な形に改める点にある。脆弱性の対象がOrchardプールに限られていたことから、移行完了後は供給量の健全性を巡る不確実性の低減につながる可能性がある。

一方、移行作業に伴いサービスに影響が出る可能性もある。取引所やウォレット事業者の準備が整っていない場合、入出金や一部機能を一時停止することがあるとして、利用者に注意を促している。

Ironwoodの要点は、プライバシーを維持したまま供給量の検証性を高める点にある。Zcashは既存のOrchardシールドプールを停止して新たなシールドプールへ移行し、脆弱性対応と供給量管理の仕組みをあわせて見直す。

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