Anthropicの生成AI「Claude」。写真=Shutterstock

Anthropicの生成AIサービス「Claude」で共有された会話がGoogle検索結果に表示され、暗号資産ウォレットのシードフレーズや個人情報、法律相談の内容などが外部から閲覧可能な状態になっていたことが分かった。共有ページに検索エンジンのインデックスを防ぐ設定がなく、公開Artifactsにも同様の問題が及んでいた。

ブロックチェーンメディアのDecryptが27日(現地時間)に報じた。Claudeの共有リンク機能では、検索エンジンによるインデックスを防ぐ設定が適用されておらず、公開リンクがGoogle検索結果に表示されていたという。

この問題は25日、Redditのユーザーが「site:claude.ai/share」で検索し、他人の共有会話を大量に見つけたことで発覚した。共有リンクには「リンクを知っている人は誰でも閲覧できる」と案内されていたが、実際には検索エンジン経由でも到達できる状態だった。

検索結果に表示された会話には、暗号資産ウォレットのシードフレーズのほか、社会保障番号(SSN)とみられる情報、職業倫理違反の自主申告の要否を問う法律相談などが含まれていたとされる。

原因は、検索エンジンにインデックスしないよう指示する「noindex」メタタグが設定されていなかったことにある。Anthropicはこれまでrobots.txtでClaudeの共有ページへのクロールを制限していたが、それだけではインデックス化を完全には防げなかった。

Googleは公式ドキュメントで、外部サイトから当該URLへのリンクが張られている場合、ページ内容を取得できなくてもリンク自体が検索結果に表示されることがあると説明している。この場合、「このページに関する情報はありません」と表示されるケースがあるものの、リンクそのものは残る。

影響は共有チャットにとどまらなかった。Decryptによると、Claudeで作成した公開Artifactsにも同様の問題が確認された。「claude.ai/public/artifacts」で検索すると、従業員名を含む給与スプレッドシートや、社内の顧客管理(CRM)に関する会話、発売前の製品ロードマップなどが検索結果に表示されたという。

今回の事案は、OpenAIで昨年起きた類似ケースとも重なる。当時はChatGPTの「この会話を検索可能にする」機能により、数千件の会話がGoogle、Bing、DuckDuckGoの検索結果に表示された。OpenAIはその後この機能を停止したが、一部の会話はInternet Archiveなどに保存され、現在もアクセス可能な状態が残っているとされる。

Anthropicは26日までに問題を修正し、共有ページにnoindexタグを追加した。これにより、GoogleではClaudeの共有リンクが検索結果から順次削除され始めている。

一方、DecryptはMicrosoftのBingでは一部の共有リンクが引き続き検索可能だと報じた。記事執筆時点で、Anthropicはこの件に関する公式見解を公表していない。

すでに露出した情報の完全な回収は難しい。公開リポジトリ「Shared-Claude-Chats」には、今回の問題以前に収集されたClaudeの会話453件、Grokの会話519件を含む計1万1241件のメッセージが、プレーンテキストで保存されていることが確認された。

ユーザーはClaudeの設定内にあるプライバシーメニューから共有リンクを取り消せる。ただし、外部リポジトリや記録サービスに保存されたデータまで削除できるわけではない。

今回の事例は、生成AIの共有機能が検索エンジンのインデックスと組み合わさることで、想定外の情報流出につながり得ることを改めて示した。特に、暗号資産ウォレットのシードフレーズのように、一度露出すれば資産管理に重大な影響を及ぼしかねない情報は、対話型AIに入力・共有する前に慎重な取り扱いが求められる。

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