POSCO Future Mは7月28日、電池材料事業の競争力強化に向け、全社的なAXを本格化すると発表した。デジタル革新ビジョンとして「BoT(Battery of Things)エコシステムのGame Changer」を掲げ、業務プロセスの標準化とデータ活用を軸にした全社ロードマップを策定した。
ロードマップは2028年上期に完了を目標とし、原料調達から製品生産、顧客企業との協業に至るまで、全工程にAI活用を広げる。具体的には、AIエージェントによる業務・システム最適化、統合データハブの構築、AIベースのスマートファクトリー実現、原料から製品までをつなぐ連携体制の高度化、戦略顧客との研究開発協業の強化を5つの柱に据える。
製造分野では、フィジカルAIを活用して工程の知能化を進め、生産性を30%引き上げる目標を掲げた。研究開発では、AIによる技術トレンド分析と仮想検証を導入し、製品開発期間を半減させる。あわせて、品質分析の自動化を通じて顧客対応を2倍に高速化する計画だ。
営業・受注業務にもAIシミュレーションを全面導入する。原料価格の予測、顧客需要の見通し、販売価格交渉まで、AIが実績データを分析し、交渉戦略の立案を支援する体制へ移行する。
契約、受注、生産、出荷までの全工程は統合的にモニタリングし、運用効率の向上につなげる方針も示した。
エネルギー管理では、AIで非効率な設備運転を自動で特定・診断し、最適化によってエネルギー使用量を削減する仕組みを整える。電気自動車に加え、エネルギー貯蔵装置(ESS)、ロボット、ドローンへ広がる電池エコシステムで主導権を握るためのデータプラットフォームも並行して整備する。
新規開発システムにはAIエージェントを標準適用し、担当者の介入を最小限に抑える。年内には各部門でAI活用の専門人材を1人以上育成し、AI活用テーマの発掘から実行までを担わせるとしている。