Binanceへのビットコイン流入を巡り、大口投資家と個人投資家の動きに差が広がっている。オンチェーン分析会社CryptoQuantによると、直近30日間の流入額は大口投資家が39億ドルだったのに対し、個人投資家は78億ドルに達した。市場では、7月28〜29日に開かれるFOMCの結果が、こうした資金フローに影響を与える可能性があるとの見方が出ている。
27日付のブロックチェーンメディアCoinpostによれば、CryptoQuantは、Binanceへのビットコイン流入について、大口投資家に比べて個人投資家の減少幅が小さいと指摘した。
直近30日間の大口投資家によるBinanceへのビットコイン流入額は39億ドル(約5850億円)で、6月12日に付けたピークの70億ドル(約1兆500億円)から44.3%減少した。一方、個人投資家の流入額は78億ドル(約1兆1700億円)で、6月5日の100億ドル(約1兆5000億円)からの減少率は22%にとどまった。個人投資家の流入額は大口投資家の約2倍となり、差は39億ドル(約5850億円)に広がった。
CryptoQuantは、この指標があくまでBinanceへの入金動向を示すデータだとしている。送金後に実際に売却されたかどうかや、資金の最終的な使途までは把握できないため、流入額の増減だけで売り圧力の強弱を断定することはできないという。
市場の焦点はFOMCに移っている。政策金利の発表は29日に予定されている。大口投資家と個人投資家の流入格差が会合前に鮮明になったことで、金融政策の結果が両者の資金フローの差をさらに広げるのか、それとも縮めるのかに関心が集まっている。
金利先物市場では、25ベーシスポイント(bp)の利上げ確率は約36%にとどまり、現時点では政策金利を3.50〜3.75%の目標レンジで据え置くとの見方が優勢だ。ただ、エネルギー価格を起点としたインフレ再燃への警戒感はなお強く、追加利上げの可能性も残っている。
CryptoQuantは、予想外の利上げが実施されれば、米国債利回りとドルを押し上げ、リスク資産には一段の逆風となる可能性があるとみている。この場合、ビットコインの短期的な値動きが荒くなる可能性があるとした。一方で、利上げが見送られ、米連邦準備制度理事会(FRB)の発言がハト派寄りとなれば、市場への圧力は和らぐ可能性があると付け加えた。
こうした中、Binanceの流入データは、投資主体ごとの心理の違いを映すシグナルとして受け止められている。大口投資家の流入が足元で急速に鈍る一方、個人投資家の資金流入は相対的に底堅い。CryptoQuantは、個人投資家の流入が大口投資家の2倍規模で続くなか、29日の結果がこの乖離の継続か収れんかを見極める材料になり得るとしている。
需給面では、長期保有者(LTH)が保有するビットコインは約1630万BTCと集計された。平均取得単価は約4万9400ドル(約741万円)と推定され、評価益率は約30%まで低下した。2025年1月時点の約340%と比べると、長期保有局面での収益余地は大きく縮小している。こうした状況を踏まえ、市場では短期的な資金流入の変化とFOMCの結果が、ビットコインの需給心理にどのような影響を与えるかが注目されている。