Circleは27日、IBMが保有していたブロックチェーン関連の主要特許資産を取得したと発表した。これにより、同社は米国で最大級のブロックチェーン特許保有企業になった。取得額は公表していない。
ブロックチェーンメディアCoinPostの28日付報道によると、取得対象は680件超の特許ファミリーで、各国で登録された個別特許は約1000件に上る。対象領域は、銀行、金融サービス、保険、企業インフラ、サプライチェーン認証、セキュアなクラウド運用などで、ブロックチェーン関連の基盤技術を幅広く含む。
Circleは今回の取得を通じて、知的財産基盤を大幅に拡充する。USDC、Circle Payments Network、企業向けブロックチェーン「Arc」などを軸に、インターネットネイティブな金融基盤事業の強化につなげる方針だ。
同社はあわせて、IBMとの追加的な商業提携についても協議する計画だ。特許資産の移転にとどまらず、実際の事業協力に発展するかどうかが焦点となる。
Circleの最高法務責任者(CLO)兼コーポレートセクレタリー、サラ・ウィルソン氏は、知的財産は同社の中核戦略に直結すると強調した。その上で「IBMは技術革新の先駆者だ。今回の取得によって、インターネットネイティブな国際金融を支える基盤を強化できる」とコメントした。
市場の関心は、特許件数そのものよりも、どの技術領域を取り込んだかに向かっている。Circleが取得したのは、金融機関や企業システムに直結する基盤技術が中心で、同社がステーブルコイン発行にとどまらず、決済インフラや企業向けブロックチェーンへ事業領域を広げる上での競争力強化につながるとみられる。
CircleはUSDCを中核に、決済と企業向けネットワークの拡大を進めている。今回の特許取得は、その過程で技術資産の内製化を進める一手と位置付けられる。追加の商業提携が具体化すれば、CircleとIBMの関係は特許売却を超え、事業パートナーシップへ発展する可能性がある。
今回の取引は、Circleがステーブルコイン発行企業から、ブロックチェーン基盤の金融インフラ企業へと事業の裾野を広げる動きとして注目を集めそうだ。特許取得とIBMとの追加協議を並行して進めることで、技術資産と事業連携の両面を強化する構えを鮮明にした。