GeForce RTX 5090グラフィックスカード 写真=NVIDIA

NVIDIAのRTXグラフィックスカードを巡り、再値上げ観測が強まっている。中核部品となるGDDR6およびGDDR7メモリの価格引き上げが進められているとされ、AIB各社の製造コスト上昇が店頭価格に波及する可能性が出てきた。

米ITメディアのTechRadarが24日(現地時間)に報じたところによると、NVIDIAはRTX GPU向けに使われるGDDR6およびGDDR7メモリキットの値上げを進めているという。

背景には、長期化するメモリ供給逼迫がある。PC業界ではメモリ価格の上昇と供給不足が続いており、部材コストの上昇が完成品価格に及ぶ可能性が高まっている。

NVIDIAはASUS、MSI、GigabyteなどのAIBパートナーに対し、こうした方針を伝えたとされる。AIBは、NVIDIAのGPUを採用して独自にグラフィックスカードを設計・製造するメーカーを指す。

現時点で、消費者向け価格の引き上げが確定したわけではない。ただ、メモリキット価格が上がれば、まずグラフィックスカードメーカーの生産コストが膨らむため、最終的に小売価格も上昇する可能性が高いとの見方が出ている。

PCハードウェア市場では、足元でも原材料価格の上昇が完成品の値上げにつながる事例が相次いでいる。

同様の動きは、ほかのPC製品にも広がっている。ポータブルゲーミングPCや高性能ゲーミング機器では、メモリやストレージ価格の上昇を受け、販売価格が上がる傾向にある。すでに1000ドルを超える価格で販売されている製品もある。

業界では、AMDについてもAIBパートナー向けメモリキットの価格を引き上げる可能性があるとの観測が出ている。実際に値上げとなれば、グラフィックスカード市場全体がメモリコスト上昇の影響を受ける公算が大きい。

NVIDIAは最近、消費者の選択肢を広げる狙いからRTX 3060の市場供給を再開した。ただ、メモリ価格の引き上げが現実になれば、RTX 3060についても従来より高い価格で販売される可能性がある。

値上げ懸念が強まるなか、既存グラフィックスカードの再活用にもあらためて注目が集まっている。TechRadarは、RedditユーザーがRTX 3090とRTX 3050を組み合わせたデュアルGPU構成を紹介したと伝えた。この構成では、RTX 3050がLossless Scalingのフレーム生成を担い、実際のゲームのグラフィックス処理はRTX 3090が担当するという。

投稿したユーザーによれば、4K解像度ではフレーム生成の導入前に平均71fpsだった性能が、導入後には144fpsまで向上した。一方で、このような構成は一般的なゲーミング環境では制約も多い。多くの最新ゲームが単一GPUを前提に設計されているうえ、デュアルGPUでは大容量の電源ユニットや、追加のPCIeレーンに対応するマザーボードが必要になる場合があるためだ。

それでも業界では、グラフィックスカード価格の上昇が続けば、既存GPUを補助演算用として活用したり、別用途へ転用したりする動きが広がる可能性があるとみている。メモリ供給逼迫の早期解消が見込みにくいなか、価格上昇と並行して既存ハードウェアの活用価値を見直す流れもしばらく続きそうだ。

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