IP68等級を取得したスマートフォンでも、「完全防水」と受け取るのは危険だ。防水等級の高さを過信してプールや海辺で長時間使えば、浸水による故障につながる恐れがある。しかも、多くのメーカーはこうした液体損傷を保証対象外としている。
米ITメディアのEngadgetは現地時間24日、近年のスマートフォンは防塵・防水性能を示すIP等級を前面に打ち出しているものの、IP68だからといって水辺で問題なく使えるわけではないと報じた。
Engadgetは、この夏の水遊びの場面でスマートフォンを積極的に使うのは勧めにくいと指摘する。一定の耐水性能を備えていても、さまざまな環境で長時間水にさらされることまで前提にした設計とは限らないためだ。
焦点となるのは、IP等級の試験条件だ。IP68は、粉じんの侵入を防ぎ、一定条件下での浸水に耐えることを示す。一方で、試験はメーカーが定めた特定の水深や時間など、限られた条件で実施される。同じIP68でも試験条件はメーカーごとに異なり、実際の使用環境とは差が生じうる。
さらに、この認証は淡水を前提としている。このため、海水や塩素を含むプール水では、同等の保護性能を期待しにくい。高い水圧や強い水流、繰り返しの浸水も、認証試験の対象に含まれないケースが多いという。
保証内容も、消費者の受け止めとは一致しない場合がある。多くのスマートフォンメーカーは、液体による故障を保証対象外としている。記事で触れられたOnePlusも防水性能を訴求しているが、液体による損傷が生じた場合は保証を受けられないと明記している。
このため、IP68という数字だけで使用可能な範囲を広く解釈すると、想定外のリスクを負う可能性がある。日常生活レベルの水滴や小雨への対策としては有効でも、水泳中の使用や長時間の浸水、水辺での撮影まで安全だと断定するのは難しい。浸水によって故障した場合、修理費を消費者が負担することもありうる。
専門家は、防水性能を判断する際にはマーケティング表現だけでなく、認証条件とメーカーの保証範囲をあわせて確認すべきだと助言する。高いIP等級は一定水準の保護を示すにとどまり、どのような環境でも自由に使える「完全防水」を意味するものではない。
Engadgetは、スマートフォンを長く使うためには、IP68という数字そのものより、どの条件で認証を取得したのか、そしてメーカーが実際にどこまで保証するのかを事前に確認することが重要だと強調した。