暗号資産取引所の運営停止や閉鎖の動きが相次ぐなか、これを市場底打ちの兆候とみる見方が浮上している。Fundstrat共同創業者のトム・リー氏は、業界の混乱について「こうしたことは通常、サイクルの底で起きる」との認識を示した。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが26日(現地時間)に伝えたところによると、リー氏はX(旧Twitter)への投稿で、取引所の閉鎖がむしろ相場の底値圏を示す可能性があると指摘した。
発言のきっかけとなったのは、取引高ベースで世界有数の暗号資産取引所だったBitMartが、取引プラットフォームの運営終了方針を明らかにしたことだ。
BitMEXを巡る動きも同様の文脈で注目されている。ビットコインのデリバティブ市場でかつて大きな存在感を持ったBitMEXについては、年内の事業停止計画が伝えられている。無期限先物を強みに成長した大手取引所まで市場から退くなか、業界内外では弱気相場の深さが想定以上ではないかとの見方が広がっている。
市場参加者の関心は、取引所閉鎖が個別企業の問題にとどまるのか、それとも相場転換のシグナルなのかに集まっている。Binance創業者のチャンポン・ジャオ氏も、足元の状況が市場の底打ちを示す可能性があるとの見解を、後に削除された投稿で示したことがある。
ジャオ氏はあわせて、小規模な中央集権型取引所の買収は他の事業の買収より難しく、買い手が潜在的なセキュリティリスクまで引き受けることになると指摘した。
一方、リー氏は市場全体が下落基調にあるなかでも、Ethereumに対する長期の強気見通しを維持している。今月初めには、Ethereumが「2.0段階」に入ったと主張した。
さらに、Ethereumの成長余地については、Amazon、NVIDIA、JPモルガンが経験した転換点になぞらえて説明した。伝統金融やAIエージェント向けの主要な決済レイヤーになり得るとの見方も示しており、長期目標価格は25万ドル(約3750万円)としている。
こうした強気見通しは、足元の市場低迷や、BitMartが保有するEthereum関連資産の評価損が大きい状況でも維持された。年末に向けては、暗号資産がリスク対比で見て最も魅力的な投資機会の一つになる可能性があるとの見方も示した。
リー氏は最近、Fidelityの主張に同調し、米議会にクラリティ法案の可決を促した。同法案が成立しなければ、米国が競争上不利な立場に置かれかねないというのが同氏の立場だ。
市場は今後、取引所を巡る構造調整がさらに進むのか、また足元の圧力が暗号資産市場の底打ち確認につながるのかを見極めようとしている。Ethereumを巡る長期期待と米国の規制整備を巡る議論が、年後半の市場心理に与える影響も焦点となりそうだ。