Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は24日、現職の米大統領が暗号資産事業に関与することに懸念を示し、ドナルド・トランプ大統領は在任中、市場との距離を置くべきだとの考えを明らかにした。利益相反のリスクに加え、暗号資産規制が政治問題化していることも問題視した。
米ブロックチェーンメディアThe Crypto Basicによると、ホスキンソン氏は同日、トランプ大統領の暗号資産事業への関与が利益相反を巡る懸念を強めていると指摘した。
発言の背景には、エリザベス・ウォーレン上院議員が、最近修正された「クラリティ法案」への反対を表明したことがある。ウォーレン氏は、同法案ではトランプ大統領が在任中に暗号資産関連事業から金銭的利益を得ることを十分に防げないと主張している。
さらに、不正資金対策や投資家保護、金融システム保護の面でも対応が不十分だと指摘した。
ウォーレン氏は特に、法案がトランプ氏の暗号資産事業に伴う潜在的な利益相反に十分対処していないと批判した。また、関連事業が昨年、約14億ドルの収益を上げた点にも言及した。
トランプ大統領は、ミームコイン「Official Trump(TRUMP)」やWorld Liberty Financial(WLFI)など、複数の暗号資産事業と関わりを持つ。ワシントンでは、公的地位と私的事業の利益が衝突し得るとの議論が続いている。
ホスキンソン氏は、自身も1年以上にわたり同様の問題を提起してきたと説明した。その上で、暗号資産規制を政治問題化したこと自体が当初から誤りだったとし、その結果、規制の議論がトランプ大統領中心に進んでいるとの見方が強まり、超党派での協力も難しくなったと指摘した。
また、暗号資産が党派対立の争点になれば、実質的な前進は見込みにくいとも強調した。大統領職が持つ影響力や特権的な情報へのアクセスを踏まえると、トランプ大統領はいわば「究極の内部者」に当たるとの見解を示した。
ホスキンソン氏は、ウォーレン議員と常に立場を同じくするわけではないとしつつも、大統領による金融市場への関与に警鐘を鳴らした今回の問題提起は妥当だと評価した。潜在的な利益相反を防ぎ、暗号資産政策を巡る世論の信頼を守るには、より強固な安全装置が必要だとも述べた。
こうした中、クラリティ法案はワシントンの主要な論点に浮上している。先週初めには、共和党議員が新たな倫理条項を盛り込んだ修正案を提出した。
修正案では、大統領と副大統領、連邦議会議員、その配偶者が在任中にデジタル資産を発行または支援することを禁じるとしている。
ただ、法案成立の行方はなお不透明だ。上院指導部は8月の休会前に上院本会議で採決する方針だが、立法日程は過密で、倫理条項の実効性を巡る民主党の批判も続いている。このため、成立時期が後ずれする可能性もある。
焦点は、暗号資産規制そのものにとどまらず、大統領や公職者による市場関与をどこまで制限するかへと移りつつある。