日本のビットコイン現物ETF市場が、2028年度までに約184億ドル(約2兆7600億円)規模へ拡大するとの見方が浮上している。個人投資家の参入経路の拡大に加え、年金など機関投資家の資金流入や税制改正が進めば、日本がアジアの暗号資産市場で存在感を高める可能性がある。
ブロックチェーン関連メディアのU.Todayが24日(現地時間)に報じたところによると、デジタル資産運用会社XWINは、日本で初のビットコイン現物ETFの上場に向けた動きが進む中、同市場の規模が2028年度までに184億ドルに達すると予測した。
XWINは、この見通しについて過度に強気な想定ではなく、現実的な前提に基づく試算だとしている。184億ドルは、日本の家計が保有する約14兆6000億ドルの金融資産全体の0.13%にとどまる水準だ。株式関連の投資信託市場と比較しても、約1%の資金シフトを見込んだにすぎないとしている。
報告書では、ビットコイン現物ETFへの主な資金流入経路として、個人投資家、機関投資家、金融機関による商品供給の拡大の3点を挙げた。
個人投資家については、暗号資産交換業者を介さず、使い慣れた証券会社のアプリやNISA口座を通じてビットコインに投資できるようになると見込む。投資のハードルが下がれば、個人マネーの流入余地は大きいとみている。
税制改正も市場拡大を左右する重要な要因と位置付けた。現在、日本では暗号資産投資の利益に最大55%の税率が適用される一方、一般の金融所得と同水準の約20%へ引き下げる案が検討されているという。XWINは、税率引き下げが実現すれば個人の投資需要が大きく膨らむ可能性があると分析した。
機関投資家の資金流入も主要な成長ドライバーに挙げた。XWINは、日本の年金基金がビットコインを米ドルとの相関が低い資産であり、インフレヘッジ手段にもなり得るとして検討し始めていると説明している。
実際、岡山のNational Business Pension Fundが、運用資産のうち最初の1%を暗号資産に配分したと伝えられている。こうした保守的な機関投資家の参入が進めば、ETF市場の初期需要の裾野は一段と広がるとの見方を示した。
国内の大手金融機関による商品投入競争も成長要因とした。SBI Holdingsは、ビットコインとXRPを基礎資産とする複合ETFを含め、多様な暗号資産ETFの組成を提案しているという。同社は今後3年以内に運用資産残高(AUM)5兆円の確保を目標に掲げている。
XWINは、こうした成長が続けば、日本のビットコイン現物ETF市場は2028年度を待たずに184億ドル規模へ到達する可能性もあるとみている。
今後の焦点は、金融商品取引法改正案の審議の行方と、金融庁が初のビットコイン現物ETF申請を受理するかどうかだ。制度整備が進んだ後は、証券会社が暗号資産商品を一般向け投資アプリにどの程度速く組み込めるか、また暗号資産の税率を20%へ引き下げる改正案が実際に施行されるかが、資金流入のスピードを左右するとXWINは分析している。
同社は、184億ドルという予測は一見大きく映るものの、実際には保守的な前提に立った試算に近いと評価した。日本が制度整備を円滑に進めれば、米国と競合し得るアジアの代表的な規制型暗号資産市場へ成長する可能性があるとしている。
市場関係者の間では、日本のビットコイン現物ETFを巡る議論は単なる新商品の投入にとどまらず、個人投資家のアクセス拡大や機関資金の流入、金融機関同士の商品競争を促す契機になるとの見方が出ている。初のETF承認と税制改正が現実味を帯びれば、日本がアジアのデジタル資産市場の新たな拠点となるかどうかに注目が集まりそうだ。