Ethereumは足元で価格の方向感を欠く一方、オンチェーン指標には回復の兆しが表れている。手数料の持ち直しやスマートコントラクトのデプロイ増加、過去最高を更新したステーキング比率などから、ネットワーク利用の改善を示す動きが確認された。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが25日付で報じた。Ethereumは最近、1796ドル〜1950ドルのレンジで推移しているが、CryptoQuantのデータではベースレイヤーの活動に改善の兆しが見られたという。
まず注目されるのが手数料の動向だ。過去3カ月間は、中央値ベースの取引手数料が90日平均を82%超下回り、優先手数料も通常時より約96%低い水準にとどまっていた。
ただ、直近1週間では変化が出ている。中央値ベースの優先手数料は約86%上昇し、取引手数料も約16%上向いた。依然として低い水準からの反発ではあるものの、長期低迷後に手数料上昇圧力が明確になった点は注目される。
開発面でも底堅さが見られた。新規スマートコントラクトのデプロイは90日平均比で約190%高い水準となった。開発者が引き続きEthereum上で活動していることを示す動きで、手数料の反発とあわせると、足元の変化が単なる短期的な値動き狙いではなく、実需に基づくネットワーク利用による可能性を示している。
一方、デリバティブ市場の動きは慎重だった。Binanceのファンディングレートは前週比で約28%低下した。最近のEthereumの値動きが、レバレッジ取引を主因としたものではなかった可能性を示す。過度なレバレッジに依存せず相場が推移した点は、現物主導の流れとも整合的だ。
取引所への資金フローにも変化があった。20日には約7万3000ETHの純流出となっていたが、Ethereumが直近高値を付けた後は小幅な純流入に転じた。上昇局面で一部に利益確定売り向けの入金が見られた格好だが、全体として供給圧力は限定的とされる。
ステーキング比率は総供給量の33.69%まで上昇し、過去最高を更新した。市場で売買可能なETHがそれだけ減ったことを意味する。取引所保有残高の減少も続いており、GeminiとBitfinexでは計約65万8600ETH、金額ベースで約12億4000万ドルが流出した。
取引所別に見ると、Geminiの保有量は38万4400ETHと、2024年3月以降で最低水準まで低下した。Geminiでは4月以降に約18万8600ETHが減少。Bitfinexは5月以降で約47万ETH減り、減少幅はより大きかった。これに対し、Binanceの保有量は約380万ETHで、大きな変化はなかった。
取引所保有残高の減少が直ちに価格上昇につながるわけではない。ただ、手数料の反発、スマートコントラクトのデプロイ増、過去最高水準のステーキング、取引所保有残高の縮小、レバレッジ依存の低下が同時に進んでいる点は見逃せない。Ethereum市場の強さが投機的な売買ではなく、ネットワーク利用の拡大に支えられている可能性を示している。
価格は短期的に調整したものの、ネットワーク指標はむしろ改善している。オンチェーンの回復が続くなか、ETHが調整後も需要の基盤を維持できるかが次の焦点となりそうだ。