ビットコインのイメージ写真=Shutterstock

米英の上場企業2社が、保有するビットコイン計511BTCを売却し、総額3170万ドル規模の負債を相次いで返済した。米KULR Technology GroupはCoinbaseからの借入を完済し、英The Smarter Web Companyは転換社債を繰上償還した。

CryptoSlateによると、両社の売却はいずれも自主的な対応で、大株主や貸し手の要請による強制的な清算ではなかった。

KULR Technology Groupは24日の開示で、7月9日から23日にかけて約333BTCを加重平均6万4538ドルで売却し、約2150万ドルを確保したと発表した。この資金を使い、Coinbaseからの借入元本2000万ドルを全額返済した。

一方で、月末時点で計算される未払利息は残っており、8月中に支払う予定としている。

同社は今回の売却について、利息負担の軽減に加え、担保負担と清算リスクの解消が目的だと説明した。四半期開示によると、3月に500万ドルを借り入れ、7%の融資手数料を負担したほか、5月には年7%の手数料がかかる1500万ドルを追加で調達していた。

元本返済により、担保として拘束されていた565BTCは解除される見通し。現在のビットコイン保有量は約760BTCとしている。

一方、The Smarter Web Companyは転換社債の返済を優先した。同社は23日、満期を約2週間後に控えた「Smarter Convert」を返済するため、177.8909127BTCを平均6万5762ドルで売却したと明らかにした。

この売却は同社の申し出に基づくもので、フランスの資産運用会社TOBAMに関連する債権者がこれを支援した。

この転換社債に利息はなく、満期は8月5日に設定されていた。満期時には、保有者が分別保管されたビットコイン、これに相当する法定通貨換算額、または1株2.0475ポンドを基準とする転換株式のいずれかを選べる条件だった。

The Smarter Web Companyは満期前に償還することで、目前に迫っていた決済義務を解消するとともに、最大771万8551株の新株発行につながり得る希薄化要因も取り除いた。ビットコイン保有量は2700BTCを維持している。

もっとも、今回の転換社債償還で同社の負債がすべて解消されたわけではない。4月30日時点の貸借対照表には、別途Coinbaseからの借入が計上されているという。

6月には、別のビットコイン財務戦略企業ナカモトも、約600BTCとデリバティブを売却して確保した4500万ドルを債務返済に充てた。ナカモトは当時、ビットコイン保有を継続し、1億6500万USDTも手元に残したとしている。

市場では、どのような財務構造が次の売却につながるのかに関心が集まっている。注目点としては、融資担保に組み込まれたビットコイン、継続的に発生する資金調達コスト、近い満期、転換権に連動した大規模な潜在株式数などが挙がる。

実際、別のビットコイン財務戦略企業が7月に米証券取引委員会(SEC)へ提出した資料には、担保比率が130%を下回った場合、24時間以内に不足分を補填しなければならない条項が盛り込まれていた。

今年に入ってから、こうしたビットコイン財務戦略企業はすでに2度のマージンコールを受けている。一部の融資では、12時間で清算が可能な条件も確認された。

ビットコインを長期保有する戦略が、負債返済や担保の安定性、既存株主の希薄化回避と両立できるのか。今回の事例は、その課題を改めて浮き彫りにした。

キーワード

#ビットコイン #KULR Technology Group #The Smarter Web Company #Coinbase #転換社債
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.