米証券取引委員会(SEC) 写真=Shutterstock

米証券取引委員会(SEC)は9月17日、米国株市場の24時間取引を巡る公開の円卓会議をワシントンD.C.の本部で開く。夜間取引の拡大を背景に、市場運営上の課題やシステムのレジリエンス、市場監視体制などを議論する。

24日、Cointelegraphが報じた。今回の会議では、米国株市場が従来の取引時間を前提とした仕組みから、実質的な常時取引体制へ移行できるかどうかが主要な論点となる見通しだ。

SECは、夜間取引の拡大に必要な制度やインフラ整備に加え、24時間市場における運営面の課題やシステム対応も取り上げる方針だ。

ポール・アトキンスSEC委員長は24日の発表で、米国株市場は新たな段階に入りつつあるとの認識を示した。夜間取引の拡大によって、既に連続取引が定着している他市場に歩調を合わせる可能性があるとの見方も示している。

こうした議論は、主要取引所が取引時間の延長を急ぐ流れと重なる。グローバル市場では、暗号資産取引所が先行して普及させた常時取引モデルに近い仕組みを、既存の取引所が相次いで検討・導入している。

個人投資家にとっては、通常の立会時間外でも、より長い時間にわたって株式を売買できる環境が広がることになる。

米国ではNasdaqが制度整備に着手している。Nasdaqは3月、規制当局と週5日ベースでの24時間取引の実現に向けた協議を始めたと公表し、目標時期を2026年下半期としている。

一方でNasdaqは、導入には規制当局の承認と制度面での整合が不可欠だと明言している。制度認可と市場インフラの調整が並行して進まなければ、実施は難しいとの認識だ。

取引所各社の取り組みも広がっている。シカゴ・オプション取引所(Cboe)は24時間の株式取引導入を進めており、London Stock Exchangeも2027年初めの夜間取引プラットフォーム提供を検討していると伝えられている。

米欧の主要取引所が同じ方向に動くなか、株式市場でも暗号資産市場のように取引時間の制約が薄れる構造変化が進みつつある。

SECの会議は、こうした変化が単なるサービス拡充にとどまるのか、それとも市場構造そのものの見直しにつながるのかを見極める場となりそうだ。夜間取引が広がるほど、注文処理の安定性や障害対応、市場監視体制といった運営上の課題は避けて通れない。SECが準備状況やシステムのレジリエンスを個別議題に据えたのは、そのためとみられる。

今後の焦点は、規制当局による承認のスピード、取引所間の足並み、そして実際に市場参加者が広がるかどうかだ。Nasdaqが示した2026年下半期のスケジュールも、規制承認の行方に左右される。9月の会議は、米国株市場の取引時間拡大が実験段階にとどまるのか、制度化へ進むのかを占う節目となる可能性がある。

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