写真=Goldman Sachs

Goldman Sachsのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は24日、米議会で審議が進む「クラリティ法」への支持を表明した。証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の所管を整理し、デジタル資産の規制枠組みを明確にする内容を評価した。一方、銀行・金融業界では、法案に盛り込まれたステーブルコイン関連条項が預金流出を招き、地域金融を下支えする融資機能を損なうとの懸念が強まっている。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、ソロモン氏は、共和党の上院議員が上院本会議での採決を前に修正法案の文言を配布した直後のインタビューで、同法案への支持を明らかにした。

ソロモン氏は、法案は完全ではないとしつつも、市場ルールを整える方向性は明確だと強調した。その上で、「最も重要なのは、公正な競争環境を整え、市場の安定と発展を促すことだ」と述べ、市場構造の整備を通じてイノベーションを後押ししたい考えを示した。

クラリティ法は、SECとCFTCの所管を明確に切り分け、デジタル資産に関する規制の枠組みを整備する内容を柱とする。Goldman Sachsは、既存の金融機関によるデジタル資産やブロックチェーン技術の活用を後押しする条項に注目しているとみられる。ソロモン氏も「幅広い参加を可能にする共通の枠組みが必要だ。この法案はその重要なマイルストーンになる」と語った。

これに対し、銀行業界の受け止めは異なる。米国銀行協会(ABA)を含む銀行・金融業界の主要6団体は23日、共同声明を公表し、法案のステーブルコイン関連条項が、米経済を支える地域向け融資を損なう恐れがあると警告した。連邦預金保険公社(FDIC)の保護対象となる銀行預金がデジタル資産プラットフォームに流出すれば、地域銀行の貸出原資が細る可能性があるという。

反対の動きは銀行業界以外にも広がっている。米国ヒスパニック商工会議所(USHCC)は21日、上院指導部に送付した書簡でクラリティ法への反対を表明した。法案が銀行からデジタル資産プラットフォームへの預金移動を加速させ、地域銀行の資金供給能力を弱めかねないと訴えている。

さらに、デジタル資産プラットフォームには、地域社会への再投資を義務付ける地域再投資法(CRA)が適用されないとして、格差拡大を防ぐための修正も求めた。

政治面でもなお争点は残る。一部の法執行機関の団体も法案に反対しているほか、大統領による暗号資産発行を禁じる倫理規定を巡る議論も続いている。先に公表された最新草案には同規定が盛り込まれたが、発効は2029年1月とされている。

民主党は、共和党が23日に公表した修正案について、自党の要求が十分に反映されていないとの立場を崩していない。上院本会議での採決まで、追加交渉が続く可能性が高い。

今回の論争は、デジタル資産の規制整備を巡って、投資銀行と商業銀行の利害が分かれている構図を映し出している。同じ金融セクターでも、デジタル資産への関わり方によって、法案がもたらす利益と負担が異なることが改めて浮き彫りになっている。

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