自動運転技術を手掛けるMobileyeの創業者、アムノン・シャシュアがCEOを退任する見通しとなった。米TechCrunchが23日に報じた。後任が決まるまでは現職にとどまる。ロボタクシーやロボティクスへの事業拡大を進めるタイミングでの経営トップ交代となる。
シャシュアはこれまで、自動車メーカー向けのチップ供給にとどまらず、自動運転システムの提供へと事業領域を広げてきた。現在はVolkswagenと傘下のMOIA向けに同システムを提供している。
Mobileyeは、イスラエルのヘブライ大学で進められたシャシュアの研究を基に、コンピュータビジョン向けチップ企業として創業した。その後は、自動車の安全機能や運転支援機能を支える中核チップの供給企業へと成長した。
同社はイスラエルで過去最大級のIPOを実施した後、2017年にIntelが153億ドルで買収した。2022年には再上場したが、Intelは現在も筆頭株主の座を維持している。
足元では、シャシュア体制下での事業拡張も進んでいる。Mobileyeは1月、シャシュアが立ち上げたヒューマノイドロボットのスタートアップMentee Roboticsを9億ドルで買収した。
シャシュアは当時、この買収を「Mobileye 3.0」の一環と位置付け、次の成長段階ではロボティクスと自動車向けAIに注力する方針を示していた。
ロボタクシー事業でも節目を迎えている。Mobileyeは6月、2027年に米国の一都市で自社のロボタクシーサービスを開始すると発表した。
従来のような完成車メーカー向けサプライヤーにとどまらず、自らサービス事業者として参入する計画だ。
次期CEOには、既存の運転支援・自動運転事業を維持しながら、ロボタクシーとロボティクスという新たな事業の柱を同時に育てる役割が求められる。「Mobileye 3.0」が実際の事業構造転換につながるのか、また2027年の米国ロボタクシー投入計画が経営トップ交代後も予定通り進むのかが注目される。