AMDは7月23日、サンフランシスコで開催した「Advancing AI 2026」で、ラックスケールAI基盤「AMD Helios」を公開し、量産開始を発表した。AIアクセラレーター市場での競争力強化を狙い、GPU、CPU、ソフトウェア、ネットワークを単一アーキテクチャに統合した。
AMD Heliosは、AMD Instinct MI455X GPU、第6世代AMD EPYCサーバーCPU、AMD ROCmソフトウェア、AMD Pensandoネットワーキングで構成するAIインフラプラットフォームだ。単一ラックで最大2.9エクサフロップスのFP4演算性能を備え、HBM4メモリ容量は31TB、メモリ帯域幅は毎秒1.7ペタバイトとする。FP4はAI演算に使う4ビット浮動小数点形式で、処理速度や電力効率を重視した演算精度を指す。
AMDによると、競合の主力ソリューションと比べ、ピークFP4性能は15%、高帯域幅メモリ(HBM)容量は50%、HBM帯域幅は6%、スケールアウト帯域幅は50%それぞれ上回る。1ラック当たりのトークン処理コストも、競合比で最大30%低いとしている。
拡張性では、1ラック構成からギガワット級AIクラスターまで対応する。1ラック当たり、4-GPUコンピュートトレイを18基、計72基のGPUを搭載する構成だ。AMD Pensando Vulcano 800 AI NICが、分散推論や大規模モデル学習に必要な高帯域・低遅延接続を担う。スケールアップはUALink over Ethernetベース、スケールアウトはUltra Ethernet Consortiumの標準に基づくオープンアーキテクチャを採用した。
AMDは、Meta、OpenAI、Anthropic、Microsoftなどの主要AI企業が、ギガワット級AIインフラの構築にAMD Heliosを活用する予定だとしている。
AMDのAI部門担当シニアバイスプレジデント、バムシ・ボパナ氏は「AMD Heliosは、最高水準のコンピュート性能、高性能ネットワーキング、オープンソフトウェアをラックスケールで統合したプラットフォームだ」と説明。「大規模推論、フロンティアモデルの学習、次世代AIインフラの構築を加速する柔軟性を顧客に提供する」と述べた。