Rippleのブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)は23日、米議会に対し、デジタル資産市場クラリティ法の早期成立を改めて求めた。法案審議を巡っては上院民主党の一部が反対しており、年内成立の可能性は40%を下回ったとみられている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、ガーリングハウス氏は、Rippleの最高法務責任者(CLO)スチュアート・アルデロティ氏の主張に同調する形で、法案成立の必要性を強調した。X(旧Twitter)への投稿では「完璧さが、十分に良い結果の敵になってはならない。今こそ終わらせよう」と訴えた。
同法案は、暗号資産市場のルールを明確化するとともに、執行当局の権限強化も盛り込む内容だ。アルデロティ氏は、これを消費者保護法案だと位置付けている。
同氏は「クラリティ法は、強力なマネーロンダリング対策と顧客確認に加え、法執行機関や州司法長官に実効的な権限を与える消費者保護法案だ」と説明した。そのうえで、「法案を棚上げすれば、消費者は不明確な基準の下に置かれ、不正業者に再び隙を与えることになる」と指摘した。
一方、業界の後押しとは対照的に、上院での審議の行方は一段と不透明になっている。報道によると、メリーランド州選出のアンジェラ・オルズブルックス氏、ニュージャージー州選出のコリー・ブッカー氏、ネバダ州選出のキャサリン・コルテス・マスト氏、アリゾナ州選出のルベン・ガイェゴ氏ら、民主党の一部上院議員が最新案に反対している。
このため、年内成立の可能性は40%を下回り、法案成立までの道筋は狭まったとの見方が出ている。
市場構造の見直しを巡る議論が、本来の論点以外の争点によって妨げられるべきではないとの声も上がっている。GSRのジョシュア・リズマン氏は、上院民主党の一部について、政策面でも政治面でも判断を誤っていると批判した。
同氏は「法案を頓挫させても、より良い結果にはならない。規制の混乱を温存し、イノベーションを海外へ追いやり、超党派で積み上げてきた数年分の作業を無駄にすることになる」と警鐘を鳴らした。
Coinbaseも上院本会議での採決を求め、同様の立場を示した。Coinbaseのブライアン・アームストロングCEOは、クラリティ法はすでに上院全体の採決に付す準備が整っていると主張した。
同氏はこの法案について、両党が数千時間をかけてまとめた妥協案だと評価した。さらに、現在の米国の規制環境では消費者を十分に保護できていないと指摘した。
アームストロング氏は「米国の現状は機能していない」と述べ、「連邦レベルの枠組みがなかったため、FTXのような不正業者が米国の顧客に被害を与え、業界の 상당な部分が米国の監督権限の及ばない海外へ移った」と主張した。
そのうえで、「暗号資産はもはやなくすことができない。賛否にかかわらず、明確な連邦法が必要だ」と強調した。
今回の論争は、米国の暗号資産市場の構造ルールを巡る立法が、なお政治情勢に大きく左右されていることを浮き彫りにした。業界側は、クラリティ法を消費者保護と市場競争力確保の最低限の枠組みと位置付けるが、上院内の反対が続く中、成立までにはなお曲折が予想される。