Teslaの株価が2026年4〜6月期(第2四半期)決算を受けて12%超下落し、時価総額は1400億ドル超減少した。売上高は伸び、納車台数も過去最高を更新したが、利益率の低下とフリーキャッシュフローの赤字転落が嫌気された。ロボタクシーやヒューマノイドロボット「Optimus」の進捗も、投資家の期待を押し上げる材料にはならなかった。
電気自動車メディアのElectrekは23日(現地時間)、純利益とフリーキャッシュフローが市場予想を下回ったことが、株価下落を加速させたと報じた。
4〜6月期の売上高は282億4000万ドルと前年同期比26%増え、納車台数も48万126台と過去最高を記録した。一方、収益性は大きく悪化した。営業利益は3億9800万ドルで57%減、営業利益率は1.4%と前年同期の4.1%から大きく低下した。調整後1株当たり利益(EPS)は0.33ドル(約50円)で、ウォール街予想の約0.53ドル(約80円)を下回った。
キャッシュ創出力の低下も鮮明だった。フリーキャッシュフローは10億9000万ドルのマイナスとなり、赤字に転じた。設備投資は57億9000万ドルと142%増加。規制クレジット売上高は1億4600万ドルで67%減少した。エネルギー事業では蓄電装置の配備量が41%増の13.5ギガワット時(GWh)となったものの、収益性は低下した。
販売拡大の裏側では、利益面の負担も膨らんだ。Teslaは低金利の金融支援などのインセンティブで販売を押し上げたが、その分、自動車部門のマージンは圧迫された。記録的な納車台数を達成しても、収益改善には結び付かなかった格好だ。
決算発表後のカンファレンスコールでも、投資家心理は改善しなかった。イーロン・マスク氏はOptimusについて、「現時点では、どのヒューマノイドロボットもプログラミングなしに汎用作業をこなせないが、Optimusが最初にそれを実現する」と述べた。ただ、今回の説明では同分野で競合に先行している根拠は示されず、量産時期もなお見通せなかった。
ロボタクシー事業の指標も、市場の期待には届かなかった。Teslaは6都市で「38万マイル(約61万km)超の非監督走行」を記録し、「注目すべき事故はなかった」と公表した。一方、有料ロボタクシーの走行距離は前四半期の約90万マイル(約144万8000km)規模から大きく伸びず、非監督運行車両数も約21台に減少した。サービスエリアはオーランドとタンパまで広がったが、運行車両数が増えない中では、地図上の拡大だけで成長性を示すのは難しいとの見方も出ている。
マスク氏は、自動運転の拡大を制約する要因として安全性にも言及した。安全確保の難しさについて、「エッジケースの長い尾から生まれるナインの行進」を挙げた。Teslaが強調してきた完全自動運転の成長シナリオは、実際の公道サービスの規模と拡大スピードの両面で、なお明確な進展を示せていない可能性がある。今回の株価反応は、そうした市場の見方を映したものといえそうだ。
Teslaはこの2年、自社を自動車メーカーというよりAI企業に近い存在として位置付けてきた。企業価値もロボットとロボタクシーへの期待に大きく連動してきたが、今回の決算では販売記録より、利益の減少、キャッシュ創出力の低下、ロボタクシー運行規模の縮小が強く意識された。市場は長期ビジョンよりも、足元の業績と実行指標を改めて見極め始めた。