米国の中古EV価格は上昇傾向にある(写真=Shutterstock)

米国の中古EV価格が今年に入り上昇に転じている。低価格帯を中心に値上がりが目立ち、ガソリン高も需要を押し上げている。保有者にとっては資産価値の下支えとなる一方、購入を検討する消費者にとっては負担増となりそうだ。

EV専門メディアのInsideEVsが21日(現地時間)に報じたところによると、中古EV市場の動向を追跡するRecurrentは、中古EV価格が1月以降で5.1%上昇したとまとめた。

とくに上昇が大きかったのは低価格帯だ。2万ドル以下の車両は、1月から6月にかけて9.4%上昇した。近年のEVは、税制優遇や値下げ競争、技術進歩の速さ、バッテリー寿命への懸念などを背景に値下がり幅が大きいとみられてきたが、中古市場では潮目が変わりつつある。

車種別でも上昇が確認された。2023年型のChevrolet Bolt EVの平均価格は2万1204ドルと、年初の1万7718ドルから約20%上昇。2022年型のTesla Model 3は3000ドル上がり、2万7000ドル近くまで上昇した。2023年型のFord Mustang Mach-Eも4000ドル値上がりし、3万5000ドルに迫った。一方で、4万ドルを超える中古EVは価格下落が続いた。

中古EVはここ数年、リース満了車の増加を背景に供給が拡大してきた。それにもかかわらず価格が上昇している点に市場の関心が集まっている。在庫の消化ペースを示す供給日数も、中古のガソリン車などと同程度だった。2026年4〜6月の中古EV販売は12万8000台を超え、税額控除によって需要が高まった2025年7〜9月の実績も上回った。

需要を支えた要因としては原油高も挙がる。ガソリン価格は春先の高値からは下がったものの、なお1ガロン当たり4ドルを上回っている。Recurrentは、ガソリン高が中古車市場全体の需要を押し上げ、その流れがEVにも波及しているとみている。

こうした相場上昇は、消費者の立場によって受け止めが分かれる。Chevrolet BoltやTesla Model 3の保有者にとっては資産価値の下支えとなる半面、中古EVの購入を検討していた消費者にとっては購入負担の増加につながる。

もっとも、価格上昇が必ずしも悪材料とは限らないとの見方もある。Recurrentは、2022年以降に大幅な値下がりが指摘されてきた車種でこうした変化が起きていることについて、市場成熟のシグナルだと指摘した。中古EVの購入者にとっては、購入直後に価値が急落することへの不安を一定程度和らげる材料になりそうだ。

キーワード

#中古EV #米国 #Recurrent #Tesla #Chevrolet #Ford
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.