ビットコイン現物ETF。写真=Shutterstock

ビットコイン現物ETFへの資金流入が6営業日連続で続いている。累計流入額は約10億ドル(約1500億円)に達し、ビットコイン相場の下支え要因として意識されている。一方で、中東情勢やインフレ懸念が重く、相場の方向感にはなお慎重な見方が残る。

22日付のBitcoin Magazineによると、先週火曜日以降、ビットコイン現物ETFには約10億ドルの資金が流入した。

Farside Investorsの集計では、この期間にBlackRock、Morgan Stanley、Grayscaleが運用する商品群へ9億3000万ドル超(約1395億円)が流入した。資金フローの停滞と弱い値動きが続いた後で、流れに変化がみられた格好だ。

ビットコインは足元で6万6000ドル前後で推移した。直近24時間では小幅安だったものの、週間では1.75%上昇。週内高値は6万6891ドルだった。市場では、ETFへの資金流入が下値支持のシグナルになるかに関心が集まっている。

ただ、相場の先行きには慎重論が根強い。ビットコインは昨年10月に付けた12万6080ドルから、足元ではなお約50%低い水準にある。大規模な清算や中東情勢、インフレ懸念が相場の重荷として残っているためだ。

CoinSharesのリサーチ責任者、ジェームズ・バターフィル氏は、ビットコインがすでに底値圏にある、あるいはそれに近い可能性は認めつつも、現水準から大きく上値を追う余地は見込みにくいとの見方を示した。

マクロ環境も重要な変動要因だ。米国によるイランへの攻撃や原油高は、インフレ再加速の可能性を高める。ビットコインは一般に、インフレ鈍化や利下げ期待の高まりを背景に買われやすい。このため市場では、ETFへの資金流入だけで相場のトレンド転換を断定するのは難しいとの見方が出ている。

NYDIGは先週のリポートで、今回の弱気局面の主因をリスク資産回避ではなく、需給面の構造にあると分析した。年初来のビットコインのリターンは米国債や銀、スイスフランも下回り、主要資産の中で最も低調だったという。さらに、現在の下落率が過去の調整局面と同様に進んだ場合、サイクル上の下値めどは3万8000ドル〜3万9000ドル近辺に入る可能性があるとした。

ビットコイン市場は当面、ETFへの資金流入とマクロ面の不透明感の間で方向感を探る展開が続きそうだ。短期的には、資金流入基調が維持されるか、中東情勢とインフレ懸念が戻りを抑えるかが焦点となる。

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