Teslaのロボタクシー事業は累計走行距離こそ伸びているものの、四半期ベースでは増勢の鈍化がうかがえる。写真=Tesla

Teslaがロボタクシー事業の拡大を強調する一方、同社の開示資料を四半期ベースで見ると、有料走行距離の伸びは2026年4〜6月期に鈍化した。累計値は増えているものの、直近2四半期の増加分は同水準にとどまっている。

Electrekが22日、現地時間ベースで報じた。Teslaは2026年4〜6月期のアップデートで、有料ロボタクシーの累計走行距離が240万マイル(約390万km)を超えたと説明した。ただ、四半期ごとの増加分を見ると、2026年1〜3月期、4〜6月期ともに約90万マイル(約140万km)で横ばいだった。

注目されるのは、累計値の伸びと四半期ごとの増加ペースの差だ。累計グラフは性質上、右肩上がりになりやすく、事業が拡大しているように見えやすい。だが、期末時点の累計値を比較すると、足元の伸びは鈍っている。

Teslaの有料ロボタクシー走行距離の増加分は、2025年7〜9月期が約15万マイル(約24万km)、10〜12月期が約45万マイル(約70万km)、2026年1〜3月期が約90万マイルと拡大してきた。これに対し、4〜6月期は1〜3月期と同じ約90万マイルにとどまり、増加ペースは加速しなかった。

Teslaは直近、提供地域の拡大を進めており、決算発表前日の21日にはロボタクシーのサービスエリアをタンパとオーランドに広げた。ただ、各地域に何台の車両を投入したかは明らかにしていない。

課題として指摘されているのは、展開都市が増えても、それがそのまま実運用規模の拡大を意味しない点だ。現在、オースティン、ダラス、タンパ、オーランドで稼働する無人運用車両は合計で約21台と集計された。オースティンでは4月末に約25台まで増えた後、足元では約17台に減ったという。

同じ20台あまりの車両を複数都市に分散配置した結果、見かけ上のサービスエリアは広がっても、処理量や有料走行距離の増加にはつながらなかったとの見方が出ている。

運用形態も、完全無人の商用サービスとはなお隔たりがある。カリフォルニアで実施されているロボタクシー運行では、Teslaの従業員がセーフティーモニターとして同乗しているという。このため、自律運行車両群というよりは、監視員同乗の有償試験運行に近いとの指摘もある。

比較対象として挙げられているWaymoは、米国の複数都市で毎週数十万件の有料・無人乗車を運用している。前席に人が乗らない完全無人サービスという点で、Teslaとは構造的に異なるとされる。Teslaが今回示した累計240万マイルも、Waymoの数週間分の運行量に届かない水準だという。

こうした中、市場の関心はTeslaの短期見通しに向かっている。イーロン・マスク氏は直近3回連続の決算発表で、自ら示した短期のロボタクシー目標を達成できていない。今四半期の質疑応答でも、株主からその理由を問う声が出た。

有料走行距離の増加ペースが再び加速しない限り、「拡大」という説明をデータが十分に裏付けていないとの評価は続きそうだ。今後の焦点は、単なる展開都市数ではなく、実働車両数と四半期ごとの有料走行距離の伸びにある。都市数を増やした後も4〜6月期の増加分が1〜3月期と同水準にとどまるのであれば、次回決算では車両規模の拡大と処理量の増加が併せて示されるかが問われる。

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