米xMEMSは21日(米国時間)、スマートグラスやAR・XR機器向けの超小型冷却ファン「XMC-1200」を発表した。つる内部にも収まる小型設計を特徴とし、オンデバイスAIの高度化に伴って課題となる発熱への対応を通じ、性能維持と装着性の両立を狙う。
米ITメディアEngadgetによると、XMC-1200はスマートグラスの限られた内部スペースを前提に設計したマイクロ冷却ソリューションだ。面積は46平方ミリで、スマートグラスのつる内部への搭載を想定する。xMEMSは自社のマイクロ冷却プラットフォームをベースに開発し、スマートグラスに加えてAR・XRヘッドセットにも対応できるとしている。
消費電力も抑えた。自社の駆動ASIC「Astra2」と組み合わせた場合の消費電力は約70mW。1Wの熱負荷条件下で、機器温度を最大10℃低下させられるとしている。
従来のスマートグラスは内部スペースが限られるため、冷却性能を確保しようとすると厚みや処理性能の一部を犠牲にせざるを得ないケースが多かった。xMEMSは、超小型の能動冷却技術によってこうした制約を和らげられるとみている。
同社は今後、スマートグラスの競争力を左右する要素として、オンデバイスAI性能と軽量設計を挙げる。AI機能の高度化でプロセッサの発熱は増える傾向にあり、冷却技術が機器性能を支える中核要素になるとの見方だ。
スマートグラスは、プロセッサやバッテリー、カメラ、ディスプレイを小型フレームに集約する構造のため、熱管理が性能と装着感に直結する。xMEMSは、冷却性能の向上によってプロセッサが高い性能を長時間維持しやすくなり、動画撮影時間の延長や装着時の熱感低減にもつながると強調した。
今回の製品は、同社が展開してきた超小型部品事業の延長線上にある。xMEMSはこれまで、ワイヤレスイヤホン向けのシリコンベースのチップ型スピーカーを主力製品として供給してきたほか、2025年8月には厚さ1ミリの超薄型チップ型冷却ファンも発表している。XMC-1200は、こうした冷却技術をスマートグラス向けに最適化し、ウェアラブル分野での展開拡大を狙う製品といえる。
現在は、条件を満たしたメーカー向けにエンジニアリングサンプルを供給しており、量産準備の目標時期は2027年第4四半期としている。これを搭載した商用スマートグラスは、早ければ2028年に発売される可能性がある。
業界では、オンデバイスAIの普及でスマートグラスの演算性能が高まるほど、発熱制御技術の重要性も増すとの見方が強い。超小型の能動冷却技術が、今後どこまでスマートグラスの設計自由度と性能競争力を押し上げるかが注目される。