ロシア議会の国家ドゥーマは22日、暗号資産市場を規制する法案を第2・第3読会で審議する。法案には、投資家区分ごとの購入上限や国外移転の上限に加え、企業が越境決済で暗号資産を利用するためのルールが盛り込まれた。可決されれば、主要条項は9月1日に発効する見通しだ。
Cointelegraphが現地メディアRBCを引用して報じた。審議対象は法案番号1194918-8で、名称は「デジタル通貨およびデジタル権利」。成立すれば、ロシアにおける暗号資産の取引、移転、対外決済に関する法的枠組みが整備される。
法案の柱は、投資家の類型ごとに上限を設ける点にある。非適格投資家は、ブローカー1社当たりの暗号資産購入額が年間30万ルーブルまでに制限され、国外移転は10万ルーブルが上限となる。
一方、適格投資家にはより高い上限が適用される。購入額は300万ルーブル、国外移転は100万ルーブルまで認める内容だ。
法案は投資規制にとどまらず、越境決済での暗号資産利用を認める枠組みも盛り込んだ。承認されれば、ロシア企業が対外取引で暗号資産を活用するための法的条件が整うことになる。
国家ドゥーマ金融市場委員会の委員長、アナトリー・アクサコフ氏は、この法案によってロシア国内で暗号資産を利用するための法的基盤が整備されるとの見方を示した。
とりわけ、ロシア向けに商品を供給する企業の利用範囲にも言及した。同氏は、法案により、こうした企業が過度な立法上・法的制約を受けずに暗号資産を利用できるようになると説明した。暗号資産を越境決済手段として制度の枠内に取り込む方向性を示した格好だ。
施行時期も比較的早い。法案が可決されれば、主要条項は9月1日に発効する見込みで、暗号資産の取引や移転、対外決済を巡って不透明だった基準が短期間で制度化される可能性が高まっている。
今回の法案は、暗号資産投資を全面的に開放する内容ではない。個人投資家を区分したうえで取引規模を抑制する一方、越境商取引では活用余地を残す構造となっている。最終審議の結果次第では、ロシアの暗号資産政策が、投資家保護と対外決済需要の両面をにらんだ形で具体化する見通しだ。
今回の審議は、ロシアが暗号資産を単なる投資対象ではなく、実体経済と結び付いた決済手段として位置付ける流れとも重なる。法案が予定通り成立すれば、投資上限、国外移転規定、企業の越境決済利用基準を同時に定める初の制度的枠組みが整う可能性がある。