Strategyは7月13日〜19日にMSTR普通株273万2318株を売却し、純調達額2億6350万ドルを確保した。ビットコインは売却せず、調達資金でドル準備金を積み増した。Decryptが20日付で報じた。
同社のドル準備金は32億2500万ドルに増加した。今回の資金調達は、市場価格で新規発行株を段階的に売り出すプログラムを通じて実施した。手取り資金は、配当支払いや債務返済に充てるドル準備金として積み増した。
同社は前週にも普通株の発行で4億6670万ドルを調達しており、直近2週間の株式売却による資金調達額は合計6億7500万ドルとなった。
マイケル・セイラー氏はX(旧Twitter)への投稿で、ドル準備金を約2億2500万ドル積み増したと説明した。7月19日時点で、ビットコイン準備金84万3775BTCと、約32億ドルのドル準備金を保有しているとしている。
Strategyは世界最大のビットコイン保有上場企業とされる。一方、直近ではビットコインの売却よりも株式発行を優先する動きが目立つ。6月末に取締役会が承認した資本運用の枠組みに基づき、最大12億5000万ドル規模のビットコイン売却も可能となっている。
実際、同社は6月末から7月初旬にかけて3588BTCを約2億1600万ドルで売却した。ただ、今週はこの選択肢を使わなかった。
こうした資金配分では、優先株投資家の保護が優先される構図となる。STRC、STRK、STRF、STRDなど配当型証券の保有者は、配当や償還の順位で普通株投資家より優先される。一方、MSTR普通株の株主は、新株発行が続くほど持ち分の希薄化を受けやすい。
このため、同社の資金調達手法には批判も出ている。代表的なビットコイン懐疑論者として知られるピーター・シフ氏は、Strategyがビットコインを売却せず、優先株投資家の保護を優先する一方で、普通株株主に不必要な負担を強いていると指摘した。
さらに同氏は、大規模なビットコイン売却が相場急落を招くことを懸念しているのではないかとの見方も示した。そうでなければ、ビットコイン投資の収益率を意図的に押し下げる理由はないと主張している。
Strategyの資金運用が注目されるのは、同社の動きが暗号資産市場の先行指標のように受け止められているためだ。同社がビットコインを買い増せば市場が反応する場面が多く、買い付け停止や売却に転じた場合も投資家は敏感に反応するとみられている。
同社が保有する84万3775BTCは、ビットコインの発行上限2100万枚の約4%に相当する。平均取得単価は1BTC当たり7万5476ドルとされる。
未実現損失は約96億ドルとされた。ただし、実際の現金流出は保有分を売却するまで発生しない。
セイラー氏は今年初め、2140年までに採掘されるビットコインを事実上すべて買い集めることも可能だと発言していた。ただ、足元のStrategyの動きは、追加買い付けよりも現金バッファーの拡大と支払い原資の管理に軸足を移していることを示している。