中国の完成車メーカーが2026年上半期だけで新車や改良モデル約650車種を市場投入し、異例の開発・投入ペースを見せている。1日平均では約4モデルに相当し、米国市場を大きく上回る水準だ。
電気自動車専門メディアのInsideEVsが7月17日(現地時間)に報じたところによると、中国の完成車メーカーは1月1日から6月30日までの間に、新型車のほかマイナーチェンジ車や一部改良車を含む約650車種を投入した。
この中には、既存モデルの商品力を高めた改良車だけでなく、完全な新型車も含まれる。中国自動車技術研究センター(CATARC)の資料では、国家車両データベースに登録歴のない完全新型車だけでも、今年に入って毎月約30車種が新たに発売された。単なるフェイスリフトにとどまらず、新たなカテゴリーの車種が相次いで市場に投入されている形だ。
こうした競争の激しさについては、中国メーカー側からも驚きの声が上がっている。BYDのホー・ジーチー副社長はソーシャルメディアで、上半期の投入規模について「完全に狂ったレベルだ」と述べ、「中国の自動車市場は激しいというより残酷だ」との認識を示した。
米国市場と比べると、その差は一段と際立つ。米国で2024年に発売または改良された車種は29車種にとどまった。Bank of America(BofA)証券も、今後4年間に米国市場で投入される新モデルを159車種と見込んでいる。中国が半年で投入した650モデルと比べると、規模の差は大きい。
中国メーカーの新車攻勢の背景には、開発サイクルの短縮がある。販売の伸びが鈍る一方で価格競争が激しさを増すなか、市場シェア確保に向けて競合より早く新車や改良モデルを投入する動きが広がっている。
技術競争もこの流れを後押ししている。車両設計やソフトウェア開発工程でAIの活用が広がり、開発期間の短縮が進んでいるためだ。ADAS、高密度バッテリー、超急速充電といった技術も、購入時の重要な判断材料として存在感を高めている。新車の迅速な投入は、単なる物量戦ではなく、技術競争力を示す手段になりつつある。
BYDはこうした競争を成長の原動力と位置付ける。ホー・ジーチー副社長は「競争は繁栄も生み出す」と強調した。BYDは今後5年以内に世界最大の自動車メーカーになる目標を掲げており、最近では電気自動車の世界販売首位の座をTeslaから再び奪還した。
業界では、中国メーカーが欧州市場で存在感を高める一方、北米進出も模索するなか、上半期の650モデル投入は、価格競争力に加えて開発スピードと製品の多様性を武器にした中国自動車産業の競争力を示す動きと受け止められている。下半期もこの攻勢が続くのか、そして世界市場拡大戦略とどのような相乗効果を生むのかが注目される。