写真=Apple

Appleが一部のApple Storeで、Genius Barの応対内容をAIで記録する「Live Notes」を試験運用していることが分かった。録音した会話を文字起こしし、要約したうえで社内システムに保存する仕組みだ。

米ITメディアの9to5Macが19日(米国時間)、この取り組みを報じた。Bloombergのマーク・ガーマン氏によると、Live Notesはスタッフが顧客との会話をAIツールで記録し、文字起こしや要約を行えるようにする機能という。

記録データはApple社内システムに保存される。従来はスタッフが応対内容を手作業で整理していたが、Appleはこの機能によって記録業務を効率化し、スタッフがメモ作成ではなく顧客対応に集中できるようにする狙いがあるとみられる。

過去の相談内容を後から確認しやすくすることに加え、記録漏れを減らすことも導入目的とされる。

もっとも、現時点ですべての応対に一律適用されるわけではない。Genius Barでの相談を記録するには、従業員と顧客の双方が事前に同意する必要がある。

Live Notesの利用は当面、必須ではない。こうした同意手続きを設けた背景には、店舗で扱う個人情報やプライバシーへの配慮があるとみられる。

一方で、現場では機能の用途拡大を懸念する声も出ている。報道によれば、Appleのリテール従業員の間では、Live Notesが今後どのような目的で活用されるのか不安視する見方がある。

具体的には、応対品質の管理や社内評価、運用基準の見直しなどに使われる可能性を警戒しているという。ただ、Appleが全店舗への拡大や利用の義務化を決めた事実は、現時点では確認されていない。

保存された文字起こしデータの具体的な活用方法も明らかになっていない。Bloombergは、Appleが今後より多くの店舗にLive Notesを広げるのか、必須ツールに切り替えるのか、あるいは保存記録の使い方を見直すのかは不透明だと伝えた。

今回の試験運用は、Appleが生成AIの活用範囲を一般消費者向け機能にとどめず、店舗運営や対面サービスにも広げようとしている動きの一環といえそうだ。今後拡大するかどうかは、同意取得の運用が現場で円滑に回るか、従業員の懸念にAppleがどう対応するかが焦点となる。

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