ビットコインは6万3000〜6万4000ドル近辺でもみ合う展開となった。米国の対イラン空爆や米中関係の悪化懸念を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まった一方、現物ビットコインETFには資金流入が戻っている。
17日付のBitcoin Magazineによると、ビットコインは短期トレンドの目安とされる50日単純移動平均線を下回った。株式市場も軟調で、日経平均株価は同日に4%下落し、6月25日の高値からの下落率は10%を超えた。香港ハンセン指数は2%、上海総合指数は3.1%下落し、ナスダック先物も1.6%安で推移した。
中東情勢の緊迫化も市場心理を冷やした。イランの準国営Fars通信はホルモズガーン州当局者の話として、米国の空爆により南部地域の橋5カ所が攻撃を受けたと報じた。チャーバハール港の海上管制塔も別のミサイル攻撃で損傷したという。WTI原油先物は1バレル79ドル近辺まで上昇し、直近5営業日の上昇率は15%に迫った。
ワシントンでは、ドナルド・トランプ米大統領が、中国による米国選挙介入疑惑に関する機密情報を公開し、中国が有権者記録2億2000万件を確保したと主張した。これに対し、中国大使館は否定した。市場では、9月に予定されるトランプ氏と習近平氏の会談を前に米中関係が一段と悪化する可能性が意識され、豪ドルは対米ドルで弱含んだ。
ただ、市場の反応は地政学リスク一辺倒ではなく、マクロ要因を意識した動きとの見方もある。Nansenのリサーチアナリスト、ニコライ・ソンダーガード氏は、14日に公表された6月の消費者物価指数(CPI)をその根拠に挙げた。総合CPIは3.5%と市場予想の3.8%を下回り、コアCPIも2.6%と予想の2.9%を下回った。
こうした見方は、現物ビットコインETFやオンチェーン指標にも表れている。現物ビットコインETFには足元3営業日で5億1000万ドルが流入し、それまで続いていた27億3000万ドルの純流出基調に歯止めがかかった。資金流入はBlackRockのIBITが主導した。
オンチェーンデータでは、空爆報道の直後に18.3BTCの純流出が観測されたが、その後は1時間当たり平均0.67BTCの純流入へ転じた。記事執筆時点のビットコイン価格は6万2836ドル。