写真=KTV。 Samsung Electronicsのイ・ジェヨン会長が29日、青瓦台で開かれた「3大メガプロジェクト国民報告会」で企業投資計画を発表する様子

Samsung Electronicsが、半導体の競争力を維持するため、材料・部品・装置分野を含むサプライチェーンの強化に乗り出している。大規模な生産能力拡張と並行して、協力企業の技術力を引き上げることで、先端工程の歩留まりと安定供給の確保につなげる狙いだ。

業界関係者によると、同社は全国ベースで生産拠点の拡張を進める一方、これを支える韓国内の材料・部品・装置の協力網の底上げも同時に進めている。5月には経営陣が5兆ウォン規模の共生基金創設を予告しており、2040年までに半導体分野だけで2100兆ウォンを投じる計画も示している。

その一環として注目されているのが、協力企業向けの「パターンウエハー」支援の拡大だ。回路パターンを形成したウエハーを用いることで、材料や装置が実際の製造環境で適切に機能するかを検証しやすくなり、技術高度化に欠かせない手段とみられている。

Samsung Electronicsは、工程データの共有範囲も広げながら、協力企業だけでは解決が難しかった技術課題を共同で解決する方向に軸足を移しているとの見方もある。

こうした動きは、5月に打ち出した協力企業支援策ともつながる。当時同社は、今後5年間で5兆ウォンを拠出し、共生や健全な産業基盤の構築、将来人材の育成に投資すると明らかにした。2次・3次の中小協力企業支援や産学連携も検討対象に挙げており、協力企業との共生を技術基盤強化の柱に据える方針が、今回の支援拡大で具体化しつつある格好だ。

同社がサプライチェーン強化を急ぐ背景には、製造競争力と材料・装置の技術力が一体不可分だとの認識がある。半導体の微細化が限界に近づくほど、新素材や製造装置の性能が歩留まりや製品性能を左右する比重は高まる。

協力企業の技術力が高まれば、自社の製造競争力も強化される。逆に、周辺の産業基盤が弱ければ、大規模な工場を建設しても安定した歩留まりや生産性を確保しにくいという判断だ。

韓国メーカーによる材料・装置の内製化や調達先多様化を促す動きは、日本の供給網への依存という構図を背景に、より鮮明になっている。Samsung Electronicsはメモリと先端ファウンドリで世界的な地位を築いてきた一方、感光材やシリコンウエハー、3Dパッケージング向けの先端材料・装置の相当部分では、なお日本の供給網への依存が残るとされる。

同社はこれまで、日本国内の研究開発センターなどを通じて、後工程の共同設計や新素材の検証を進める一方、韓国内の先端ライン向け装置の調達でも協力関係を築いてきた。こうした関係は競争と協力の両面を持つだけに、韓国内の材料・部品・装置の技術基盤を広げ、特定の海外供給網への依存度を下げたいとの動機も強まっているとの見方がある。

材料・装置の国産化が遅れれば、特定の海外サプライヤーへの依存が深まり、供給網リスクとして跳ね返る。このため、産業基盤の強化が必要だという指摘が出ている。米国、中国、日本がそろって材料・部品・装置の生態系支援や技術高度化を進めているのも、同じ文脈にあるという。

材料・部品・装置を巡る競争が国家レベルに広がる中、韓国内の関連産業を束ねることが、同社の「超格差」戦略を維持する前提条件になりつつある。

この動きは、ファウンドリ事業の競争環境とも重なる。ユアンタ証券によると、2026年1~3月期の世界ファウンドリ市場で、TSMCのシェアは72.3%と首位だった。Samsung Electronicsは6.5%で2位につけた。

Samsung Electronicsのシェアは1年前の7.7%からやや低下した。ただ、TSMCの70%台に及ぶ高いシェアは、ビッグテック各社のサプライチェーン多角化ニーズをむしろ高める要因だとユアンタ証券はみている。

同社のファウンドリ事業がTSMCの代替先として言及される理由もそこにある。ユアンタ証券は、Samsung Electronicsが2ナノ工程の受注をすでに確保しており、GoogleがメモリI/Oダイの委託生産を同社と分担する案を検討しているなど、顧客基盤拡大の兆しがみられると伝えた。

Metaの次世代AIアクセラレーター向け物量が同社に向かうとの観測も出ている。こうした状況では、韓国内の材料・部品・装置分野の強化は、協力企業支援にとどまらず、自社の生存戦略とも直結するとの見方が強い。

◆協力企業には追い風、育成との連動が課題

同社の投資計画も、この方向性と軌を一にする。Samsung Electronicsは、半導体の生産拠点を首都圏中心から湖南、忠清、嶺南など全国へ広げる構想を示してきた。

半導体クラスターの育成に大半の財源を投じつつ、AI半導体や材料・部品分野など、非首都圏への投資も並行して進める計画だ。生産ベルトが広がるほど、それを支える材料・部品・装置の協力網の裾野を広げる必要があるとの指摘も出ている。

結局のところ、同社のサプライチェーン強化策は、ファウンドリとメモリを含む「超格差」戦略の一部といえる。先端工程で安定した歩留まりと生産能力を確保するには、材料・装置を担う協力企業の技術水準も同時に引き上げる必要があるためだ。

大信証券によると、2027年のHBMの平均販売単価(ASP)は前年比100%以上上昇する見通しで、メモリ市場の好況局面は続いている。需要拡大に伴い、供給能力を支える関連産業の役割も一段と大きくなる見通しだ。

今後のSamsung Electronicsの材料・部品・装置戦略は、単発の物量支援を超え、協力企業が実際の量産ラインに近い環境で検証を受ける仕組みへ移る可能性が高いとみられている。パターンウエハーの提供や工程データの共有を通じて、協力企業の技術を自社ファブの中で磨き上げる形だ。

全国に広がる生産ベルトが多様な検証機会を生む点を踏まえると、同社には設備増強と産業基盤育成を一体で進める余地がある。

業界関係者は「協力企業にとってはテスト機会が増え、地域の材料・部品・装置クラスターが一緒に成長する余地も生まれる」とした上で、「ただし、Samsung Electronicsの増設計画が、そのまま材料・部品・装置の育成に自動的につながるわけではない」と話した。

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