米SpaceXが、米国防総省に対するAI向けデータセンター容量の提供を巡り、数十億ドル規模で協議していることが分かった。米Wall Street Journal(WSJ)が7月17日(現地時間)、事情に詳しい複数の関係者の話として報じた。交渉はなお継続中で、最終合意に至らない可能性もあるという。
案件規模は数十億ドルに上るという。
WSJによると、SpaceXはここ数カ月でAnthropicやGoogleと契約を結ぶなど、クラウドコンピューティング事業の拡大を加速している。直近数週間には、CoreWeaveなど既存事業者と正面から競合するため、AI関連顧客向けに計算資源をより低価格で提供する案を社内で検討してきたという。
国防総省は、国家安全保障局(NSA)やAI活用部門を支えるクラウド基盤の確保を進めている。Microsoft、Google、Oracleも同省の主要なクラウド供給事業者とされる。
こうした中、国防総省は軍におけるAI導入の拡大を見据え、特定の技術企業への依存を抑える方針を示してきた。最近では、SpaceX、Amazon、Google、Microsoft、Oracleについて、機密環境でAIモデルや関連技術を利用できる対象企業として承認した。
また国防総省は、先端AIチップの確保を柱とする新イニシアチブ「AI Arsenal」に向け、300億ドル規模の予算を議会に要請した。
国防総省はこれまで、ロケット打ち上げや通信、ミサイル追跡向け衛星の運用でSpaceXへの依存を強めてきた。一方で、一部の国家安全保障当局者の間では、同省がイーロン・マスク氏のサービスに過度に依存しているとの懸念も出ている。WSJは、マスク氏がトランプ大統領の2024年大統領選キャンペーンに巨額の寄付を行ったことも、利益相反を巡る議論を強める一因になっていると伝えた。
SpaceXは最近、xAIを買収し、GrokのAIモデルとデータセンター部門を事業に組み込んだ。短期的には、Grokモデルそのものの販売より、コンピューティング容量の賃貸の方が収益面で魅力的になる可能性があるという。WSJは、Anthropic、Google、ReflectionAIとの契約が、年換算で数百億ドル規模の売上高につながる可能性があると報じている。