BitMine Immersion Technologiesの創業者で会長を務めるトム・リー氏は17日(現地時間)、AIの普及が進むほど恩恵を受ける資産としてEthereumを挙げた。ブロックチェーンメディアのCryptopolitanによると、同氏は同日、Xへの投稿でEthereumを「AIの中核的な下流の受益先」と表現した。
リー氏は、AIシステムの普及に伴い、これを監視・統制する安全基盤の必要性が一段と高まるとの見方を示した。そのうえで、消費者はその役割を政府や大手テック企業、銀行に委ねることを必ずしも信頼しない可能性が高いと指摘した。
同氏は16日に公表した会長メッセージ「ETHは富のアンキャニー・バレーを癒やす解法」でも、同様の主張を展開した。Ethereumには2つの強い追い風があるとし、2026年の暗号資産市場を巡る逆風は和らぎつつあると説明。BitMineは次の強気相場に備えているとも述べた。
こうした発言は、半導体株への売りが膨らむ局面で出た。フィラデルフィア半導体指数は17日に4.8%下落し、月初来では約20%下げ、弱気相場入り目前まで売られた。6月22日以降、世界の半導体株の時価総額は約3兆3000億ドル減少したとの集計もある。
個別銘柄では、NVIDIAが3.7%安、Armが7%安、AMDが7.8%安、TSMCが7.29%安だった。日経平均株価は4.03%下落し、韓国総合株価指数(KOSPI)も取引終了前に6.37%下落した。Bitcoinも17日、6万3200ドル前後で推移し、約2%下落した。
Ethereum強気論の背景には、トークン化需要の拡大もある。BlackRockのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)はEthereumを「トークン化の有料道路」と表現しており、BlackRockの元暗号資産部門責任者ジョセフ・シャロム氏も3月、伝統資産のオンチェーン移転におけるEthereumの役割を強調した。
日本では、SBIが今週、Startale Groupとともに、日本初の信託型円建てステーブルコインとされるJPYSCの発行ネットワークにEthereumを選定した。
もっとも、BitMineの財務状況はこうした強気姿勢と食い違う。同社は577万ETHを保有しており、これは総供給量の約4.8%に相当する。会社側によると、保有目標として掲げる5%に対して96%の水準に達しているという。
一方で、ETH価格は約1840ドルと、平均取得単価の約3997ドルを大きく下回っている。このため、含み損は約90億ドルに達する。BMNRの時価総額も、保有するETHの評価額を下回った。
同社はステーキング収益で収益基盤の下支えを図っている。保有量の85%に当たる約492万ETHをステーキングし、年率換算で2.7%の利回りを得ている。リー氏は、これにより年間で約2億4200万ドル(約363億円)の収益を見込み、6月に発行した優先株の9.5%配当を賄えるとの見方を示した。