画像=暗号資産価格と関連株の乖離を示したBitwiseのレポート(Reve AI)

2026年上半期の暗号資産市場では、価格が大きく下落する一方、関連上場株は上昇した。Bitwiseは、DeFi(分散型金融)やRWA、予測市場といった分野で事業成長が進み、暗号資産価格と関連企業の株価が異なる動きを見せたと分析している。

Bitwiseが公表した2026年4〜6月期の市場レポートによると、上半期の暗号資産価格は市場全体で36%下落し、主要資産クラスの中で最も低調だった。一方、暗号資産エコシステム関連の上場企業30銘柄で構成する「Bitwise Crypto Innovators 30 Index」は同期間に23%上昇した。

Bitwiseでリサーチ責任者を務めるライアン・ラスムセン氏は、第2四半期について「収益性や実利用、機関投資家による導入は拡大を続けたが、暗号資産価格は全般に下落した」と説明。「市場環境を価格だけで判断すべきではない」と指摘した。

Bitwiseによると、この指数のパフォーマンスは新興国株を除く主要資産クラスの多くを上回り、米国株の2倍超のリターンとなった。

同社は、こうした乖離の背景として業界構造の変化を挙げる。ビットコイン採掘企業は、AIインフラ需要の拡大に伴うデータセンター需要の増加を追い風にした。加えて、ステーブルコインや実物資産のトークン化に関わる企業も、機関投資マネーの流入を背景に成長を続けたという。

ラスムセン氏は「暗号資産は単一の資産ではなく、多様な産業で成り立つエコシステムだ」としたうえで、「価格だけで業界全体を測れない理由がここにある」と述べた。

分野別では、DeFiサービスの収益拡大が目立った。上位10のDeFiアプリケーションの直近12カ月の合算収益は59億ドル。内訳は、分散型取引所PancakeSwapが約9億2300万ドル、デリバティブ取引所Hyperliquidが約9億1200万ドル、貸出プロトコルAaveが約8億7700万ドルだった。

Bitwiseは、これらのサービスについて、弱気相場でも実際に収益を上げられる事業モデルを構築していると評価した。

RWA市場も拡大基調を維持した。第2四半期の市場規模は過去最大の330億ドルに達し、前四半期比12%増、年初来では45%増となった。米国債や社債、株式、ベンチャーキャピタル資産などのトークン化が進んだことが背景にある。

ラスムセン氏は「世界最大級の資産運用会社が、資産のオンチェーン化を本格的に進めている」と分析した。

予測市場も急拡大した。第2四半期の建玉(OI)は18億ドルと過去最高を更新し、四半期取引高も430億ドルと最高を記録した。中でもスポーツ関連市場の比重が大きく、Polymarketのようなサービスは、利用者が暗号資産を意識せず使える代表例として挙げられた。

Bitwiseは、米国の中間選挙が近づくにつれて、予測市場の取引高と建玉が再び最高水準を更新する可能性があるとみている。

関連株は、ポートフォリオ分散の観点でも特徴を示した。Bitwiseが暗号資産関連株指数の直近90日移動相関を分析したところ、米国株よりも、先進国株、新興国株、米国REIT、米国債、金との相関が低かったという。

同社は、暗号資産関連株が上半期に米国株を上回るリターンを確保しただけでなく、分散投資先としての効果も示したと評価した。

2026年上半期は、暗号資産価格の動きと業界の成長が必ずしも一致しないことを示す局面となった。価格は低迷した一方で、DeFiの収益拡大、実物資産トークン化の進展、予測市場の成長が続き、業界内部では複数の領域で拡大が進んだ。

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